チェック柄の由来と種類を知る
タータンチェックにも歴史あり
チェック柄は柄が大きいと若々しくスポーティーな印象に、細かいと落ち着いた雰囲気になるといわれます。特に細い縞で構成されるものは“タータンチェック”と呼ばれますが、じつはスコットランド・タータン登記所に登録された柄に対しての総称なのです。つまり色やパターンは異なっても、スコットランド・タータン登記所が認めた柄はすべて“タータンチェック”というワケ。ご存じでした?
この“タータン”は、目的や用途によって種類があります。軍隊で使用されるものなら“ミリタリー・タータン”、王室が用いてきたものは“ロイヤル・タータン”といった具合。そして日本でいう家紋、とたとえられるのが“クラン・タータン”です。 歴史をさかのぼって16世紀頃、スコットランドのハイランド地方には“クラン(氏族)”と呼ばれる小さな共同体がありました。各クラン固有のオリジナルの柄が“クラン・タータン”。家族に受け継がれてゆく、代々のタータンがあるというわけです。といっても、ひとつのクランにひとつの柄、というような規制はなかった模様。
【MILITARY】
ブラックウォッチ
軍隊で使用されるタータンは、アーミー・タータン、ガヴァメント・タータンとも呼ばれます。なかでも最も有名なのがこちら。由来はハイランド地方の歩兵隊で、彼らが黒っぽい色の制服で警護を行っていたことから、ブラックウォッチ=「黒い見張り番」というニックネームがつき、そのまま柄の名前になったといわれています。
【ROYAL】
ブラックスチュアート
王室が用いてきたタータン。赤地のものはロイヤルスチュアートと呼ばれ、英国のエリザベス女王が愛用する柄としても有名です。一方、黒地をベースにしたこちらは、スコットランド起源の王朝であるスチュアート家のためにデザインされたもの。より色を際立たせるため、ロイヤルスチュアートの色構成の中で赤と黒を置き換えています。
【CLAN】
ドレスゴードン
スコットランドの低地地方に起源を持つゴードン家は、アダム・ゴードン準男爵の子孫。ゴードン家のタータンのなかでもこちらの“ドレスゴードン”と呼ばれる柄は、ディナーの正装用として使われる格の高いもの。白地にネイビーとグリーンの幅広な格子、イエローの細いラインを配した、清涼感のあるデザインです。
【CLAN】
マクラウド オブ ルイス
マクラウド家の祖先はノルウェー人。14世紀にはスコットランド西海岸のルイ・ハリー島及びスカイ島の一部を領地にしていました。その一族のタータンでよく知られているのが、ビビッドな黄色地に黒と赤のコントラストが鮮やかなこちら。マクラウド家の紋章でもある太陽からデザインされたそうで、躍動感のあるタータンです。
連載
BASIC RULES
LaLa Beginが定義する「服好き」、あるいは「服好き」予備軍さんへ、おしゃれの心得をご紹介します。色使いやコーディネート、メンテナンス方法から知っておきたい蘊蓄まで。おしゃれバイブルとして参考にしてみて!
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[BASIC 100 RULES Autumn-Winterの記事を再構成]