Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES 漫画家・コナリミサトさんの【らんま½】愛がすごい! 偏愛のきっかけは?

2024.11.19

偏愛レボリューション

漫画家・コナリミサトさんの【らんま½】愛がすごい! 偏愛のきっかけは?

[LaLa Begin 2023年 6-7月号の記事を再構成]

偏愛レボリューション~Vol.19「らんま½」コナリミサトさん

このビジュアル、もはや説明不要でしょうか。昭和の終わりから平成の初期、週刊少年サンデーで連載されテレビアニメも放送された、高橋留美子先生の大人気シリーズマンガ『らんま½』。ララビギン読者の中にも夢中になった人多いのでは。

今回沢山のグッズと共に『らんま½』への愛を語ってくれたのは、『凪のお暇』や『珈琲いかがでしょう』などの作品でおなじみの漫画家コナリミサトさんです。らんまをイメージしたチャイナ服に、自らおかもち①を抱えて現れたその姿、すでに並々ならぬ愛を感じます!

『猫飯店メニュー・ソング』のCD とセットで限定販売されていたリアルすぎるおかもち。別で販売されていたグラスや食器類もぴったり。

最初に買ったのは第6巻でした

幼少期からマンガには触れていたというコナリさん。絵を描くのも好きで、なんと小学校1年生の頃にはすでにコマを割ってマンガっぽいものを書いていたのだとか。

「その頃にはじめて自分のお小遣いで買ったマンガが『らんま½』(以下らんま)の6巻でした。現在はもう新装版で違うんですけど、当時の鮮やかなピンクの表紙がとにかくかわいい!って思って」

早すぎるジャケ買い! それにしてもいきなり6巻から読むって混乱しませんでしたか?

「はい……しました。あかねちゃんという子は元々ロングヘアで、ある事件でバッサリ髪を切られてしまうんですけど、6巻ではすでにショートヘアで。キャラの中で一番好きなシャンプーという子もすでに登場していましたし。らんまが女の子になったまま戻れないエピソードがあって、どういうこと?って気になって、すぐ1巻から買って読み直しました」

その頃からもうグッズも持っていましたか?

「小学生の頃は下敷きとか文房具ですかね。あと当時〈カードダス〉っていうトレーディングカードが流行ってて、どうしてもシャンプーのキラカードが欲しくて、当時のお年玉ぜんぶ溶かした記憶があります(笑)」

「税理士さんとの打ち合わせとか、シャンプーのクリアファイルでテンション上げてます」

そこまでシャンプーがお好きだったんですね。

「はい、自分が今まで読んだことのあるマンガのキャラクターのなかでシャンプーが一番好きです! ともすれば、らんまを奪おうとする敵役としても読めるんですけど、とにかく天真爛漫でピュアでまっすぐで情熱的で。なので当時からシャンプーが出てくると嬉しくて、グッズも必然的に多くなっちゃいます。それにしてもこうやって並べてみると②よくわかりますね」

黒ver. は背中に男女のらんまと龍が、青ver. は胸にロゴが刺繍されてインパクト大! 「でもこれ着て普通に出歩いてますよ」

“作品への愛”を感じるグッズだけ

マンガやアニメの放送当時だけでなく、いまだに『らんま½』コラボグッズってよく見かける印象です。あれもこれも買っていたら大変なことになっちゃいそうですが、コナリさんがコレクションするアイテム、つい買ってしまうグッズはどんなものですか?

「アイテムというより、色やデザインやディテールに作品への愛を感じるかどうか、ですね。たとえばこれ③はあかねとシャンプーをそれぞれイメージしたオードトワレなんですけど……(シュッ)」

わぁ、イメージ通りです! あかねは可憐でロマンティック、シャンプーはちょっと気まぐれな感じ。

「そうなんですよ、これはキャラの解釈に不一致がない!って感動して両方買いました」

レトロチャイナなデザインがお気に入りのアイシャドウパレット。持ってるだけでテンション上がる!

「あとはよくグッズに使われるマンガの中の定番シーンやポーズって何種類かあるんですが、ここを使うかーっていうレア感や新鮮味のあるものはやっぱり気になっちゃいますね」

キャラクターへの思い入れはもちろんですが、コナリさんが感じる『らんま½』の作品の魅力ってどんなところですか?

「ひとことでは言い切れませんが、やっぱり“ラブコメディ”だというのが一番かもしれません。素直になれない態度とか、横槍が入ってジリジリしちゃう関係とか、そういうラブコメ要素が大好きなんです」

それはご自身の作品にも影響してると思いますか?

「あるかもしれません。無意識に三角関係の構図で描いちゃったり、キスシーンなんかは今でも描いててドキドキしますし。私の『凪のお暇』という作品は、読む方によって捉え方は色々だと思いますが、自分ではラブコメだと思って書いてるんです。らんまや高橋留美子先生を意識して描くことはないですが、らんまを原体験としたラブコメ愛は、たぶん私の遺伝子に組み込まれてる気がします」

漫画家。著書にドラマ化も果たした代表作『凪のお暇』(秋田書店)をはじめ、『珈琲いかがでしょう』『宅飲み残念乙女ズ』など。じつは張り子もコツコツと収集中なのだとか。

調査報告

グッズがどれもかわいくて、撮影しながらスタッフ一同で盛り上がりました。私を含め、多くの読者が共感するキャラクターを生み出すコナリさん自身が「マンガのキャラで一番好き」と断言するシャンプーってどんな子だったっけ……気になってしまい、取材後すぐに全38巻一気読みしてしまいました。

※掲載内容は発行時点の情報です。

LaLa Begin 2023年 6-7月号の記事を再構成]photo : Kentaro Oshio text&interview : omomuroni。

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