Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES コレクターも多い「鉱物」の【趣味活】を取材! お2人の自分らしい愛で方も参考に♪

2024.10.16

趣味活ノススメ

コレクターも多い「鉱物」の【趣味活】を取材! お2人の自分らしい愛で方も参考に♪

地球が生んだ唯一無二のアートと暮らす

悠久の時を経て形作られる鉱物。ひとつとして同じものはない、まさに自然の芸術です。無機物だけどどこか生き物のような鉱物たちを、自分らしく愛でる2人を取材しました。

鉱物を空間で楽しむ

鉱物好きとして知られるフォトグラファーの山口恵史さん。幼い頃から好きだったという鉱物を本格的に集めだしたのは20代に入ってからだそう。「専門店やミネラルショーで手に入れたものもありますが、海外のフリーマーケットなどでの出会いも。オーストラリアなんかだとヒッピー文化が盛んな地域でよく売られているんです」。

オフィスを兼ねたスタジオには、山口さんの審美眼で集められた什器や観葉植物とともに鉱物のコレクションが並びます。「石の種類や希少性などはあまり考えていなくて、完全に直感で、オブジェに近い感覚で選んでいます」と山口さん。洗練された“鉱物のある空間”づくりのヒントがここに!

自然の造形美を自分らしく飾る

「自分でスタジオを持つなら自然光の入る場所がよかった」と山口さん。白を基調にした明るい空間で鉱物たちがキラリ。最奥の水晶はサーフィンを嗜む山口さんが海岸で拾った流木を自ら削って台座にしています。

植物とともにナチュラルな空間に

大きなヘマタイトインクォーツやアパタイトなどがグリーンとともに作り上げる野趣あふれる一角。床の丸い石は翡翠の産地としても知られる糸魚川で拾ってきたものだそう。

感性を刺激する本と鉱物

詰まった本棚がお出迎え。棚に並ぶ鉱物それぞれが美術作品のよう。ここから新しいアイデアが生まれそうです。

カルチャーを感じる石の造形物

加工された石も好きだという山口さん。蛍石や大理石、オニキスを削りだした味わい深い動物たちは、インディアンジュエリーを扱う店などで見つけたもの。

鉱物で「作る」「遊ぶ」

理科に関する書籍の執筆や、実験ワークショップなどを行うさとうかよこさん。「じつはもともと理系ではなくて、だからこそ鉱物を自由に楽しめているのかも」と話すさとうさんのカフェにお邪魔すると、収集したコレクションをアレンジするアイデアが満載! アンティークな世界観の中で古道具と鉱物が調和していました。

「桁は違いますがどちらも長い時間を経ているものだから、相性がいいと思うんです。それに、実際の19世紀の博物標本などを見てみると、オリジナリティ溢れる装飾がされていたりするんですよ」。鉱物で「作る」、鉱物で「遊ぶ」時間もまた、この趣味の楽しみのひとつかもしれません。

古道具やドライフラワーとともに絵画のように

水晶を古いフランスの瓶や活版印刷が施された紙とともにコラージュのように組み合わせたこちらは、LEDライトを使って光らせることも。結晶の形やインクルージョンによって異なる輝きを見せる唯一無二のオブジェです。

ときめきで集まるコレクション

さとうさんが特にお気に入りだという鉱物たち。幼い頃、鉱物に興味を持つきっかけになった蛍石(左)と、石なのにふわふわした見た目と手触りのオーケン石(右)。

あえて小粒な石を生かして

一般的に大ぶりな標本ほど価値も高くなりますが、小粒な標本ならではの楽しみ方も。ミニチュアの試験管に詰めたり、アンティークの検眼レンズに合わせてアレンジ。

美しい切手を背景に

切手を背景に、小さな箱の中に風景を表現! 繊細な絵柄が美しい鉱物切手はアメリカのもの。

NATURAL STONE

【蛍石】Fluorite
主成分は無色のフッ化カルシウムだが、不純物によって緑、紫、ピンクなどさまざまな色になる。黄色のものは特に人気。

【天青石】Celestine
花火や発炎筒にも使われる硫酸ストロンチウムを主成分とする鉱物。美しい青だが、火に投じた際の炎色反応は赤。

【束沸石】Stilbite
結晶の隙間に水を含み、加熱すると沸騰しているように見える。オレンジ色は微量に含まれる酸化鉄によるもの。

【鉄電気石】Schorl
名称の由来は熱すると電気を帯びるため。鉄電気石は数ある電気石の中の一つ。真っ黒で条線という縞模様が特徴。

【水晶】Quartz
大昔は溶けない氷と考えられていた水晶。アメリカ・アーカンソー州で産出するものは透明度が高いことで有名。

【黄鉄鉱】Pyrite
よく金と間違えられることから「愚者の金」と呼ばれる、鉄と硫黄からなる鉱物。きれいな六面体の結晶も多い。

【バナジン鉛鉱/重晶石】Vanadinite/Barite、Baryte
砂漠の薔薇とも呼ばれる重晶石の周りに、バナジン鉛鉱が赤砂糖をまぶしたように付着している、お菓子のような標本。

※掲載内容は発行時点の情報です。

[LaLa Begin 2024年 AUTUMN号の記事を再構成]photo:Hoshito Omija, Saori Fushimi text:LaLa Begin

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