永く愛せる名品革図鑑
【スロウ】半年かけてなめした贅沢革バッグ。丈夫なのに薄くて軽~い使い心地もグッド!
[LaLa Begin 2021年 10-11月号の記事を再構成]
革鞄
SLOW&CO[スロウ]
2008年に誕生したスロウは、鎌倉や大阪に工房を構える日本のレザーブランドです。メインに使っているのは日本発のタンナーである栃木レザー社製の国産革。植物タンニンでなめした革は風合いがあり、使い込むほどに味わい深く変化していくのが特徴です。
リノのオールインワン6万500円(グッドスタンディング) 中に着たヤエカのモックネックのカットソー2万2000円(ヤエカ アパートメント ストア) パラブーツのシューズ6万9300円(パラブーツ 青山店) その他スタイリスト私物
ミモザの樹皮のタンニンが入れられた濃度のちがう槽に順につけていき、半年ほどかけてなめされています。でき上がった革は、わずか1.1㎜というヌメ革では信じられないほどの薄さなのに丈夫で軽い。革だから重い、というイメージがくつがえります!
オールメイドインジャパン!
栃木のタンナーで約半年間じっくりなめされた贅沢バッグ
\フィノカートリッジショルダー/
1940年代イギリスのハンティングバッグがデザインソース
ブランド初期から展開している定番デザインで、革を薄くてやわらかい国産のものに替え、ディテールをアップデート。クラシックなハンティングバッグをモチーフにしており、トレンドを気にせず長く使えます。W28×H24×D8㎝ 各3 万5200円(スロウ自由が丘店)
\DETAIL/
ショルダーの付け根部分は、体に沿うように角度をつけて取り付けられています。ななめ掛けしたときのフィット感が良好。
中を見てみると、上質なリネン生地が張られています。金属以外はすべて天然素材というスロウのこだわりです。ヴィンテージ感のあるウォルデスのジッパーも通好み。
ストラップは2枚の革を特殊なボンドで圧着して張り合わせています。ステッチがなく、銀面が表に出ているのでタッチもなめらか。
HOW TO CARE
メンテナンスキット4950円(スロウ自由が丘店)
女性の肌と同じで、定期的にケアすることで革が長持ちします。ブラッシングして毛穴のホコリを取り、乳化性クリームを塗り込みます。そのあとは2、3日風通しのいいところに置いておけばOK。
とる革の部分によって、少しずつ表情も異なります
革は布生地とはちがって均一ではなく、傷があったり、繊維の流れがあったり、1枚1枚個性があります。そこから、型紙に合わせてどう裁断するかが熟練の職人の腕の見せどころ。
\背中の硬いところは側面に使おうかな/
バッグの正面にくる前胴や背面の後ろ胴をどの部分にするか、シボや強度を見ながら裁断。スロウでは職人が型紙作りから縫製までを、すべて手作業で行っています。
年代物のバッグをヒントに
深田さんは古着屋でヴィンテージのボーイスカウトバッグやヘルメットバッグを購入し、着想を得ているそう。
ディレクター
深田義人さん
1978年大阪府生まれ。大学卒業後、株式会社井野屋に入社。複数のハウスブランド立ち上げを経て、2008年スロウを創立。ディレクターとしてブランドコントロールにおける最重要ポジションを担う。
連載
永く愛せる名品革図鑑
革のアイテム、おひとつでもお持ちでしょうか? コーディネートに取り入れるだけで、装いをグッと上品にコクだししてくれる。そんな素敵な存在です。種類によっては、紅葉のように変色するものもあるし、そのままの表情を貫くものもある。革って、じつに奥が深い……。そして知れば知るほどおもしろい。革の名品を厳選した、【大人のための革図鑑】ができ上がりました。とくとご覧あれ。
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[LaLa Begin 2021年 10-11月号の記事を再構成]写真/押尾健太郎 武蔵俊介
文/間中美希子 名知正登 桐田政隆 スタイリング/野崎未菜美 ヘアメイク/畑江千穂 モデル/高橋佳子 イラスト/ Mamedori