ボーイな女のデニム&Tシャツバイブル
かのイヴ・サンローランも嫉妬した⁉【Levi’s® 501】がデニムのお手本と言われるワケ
そもそもデニムって?
ファッションにおける20世紀最大の発明品だった
ゴールドラッシュに沸く1853年のサンフランシスコ。NYからやって来たリーバイ・ストラウスさんは雑貨店「リーバイ・ストラウス&カンパニー」を開きました。そこで金鉱掘りたちの声を聞き、お店にあったキャンバスを使って丈夫なパンツを作ります。するとこれが大好評。リーバイス®はワークウェアメーカーとして急成長し、1870年代初頭には素材にインディゴデニムを取り入れるようになっていました。
その後、ヤコブ・デイビスから金属リベットを使ってもっと丈夫な服を作る提案を受けたリーバイは、「これはいい!」と1873年にリベット付き衣料の特許を取ったのです。できたのが、いま皆がはいているジーンズの原型です。さらにさまざまなディテールが加わり、1890年に初めてデニムパンツに品番をつけて発売します。これが「501」。ジーンズのジ・オリジンの誕生です。
\その後さまざまなデニムのお手本となりました/
20世紀前半はまだまだ労働着でしたが、カウボーイや映画スターがはいて50年代には若者に流行。そして世界的に人気が広まり、ファッションの20世紀最大の発明品といわれるまでに。かのイヴ・サンローランさんには「できれば私がジーンズを発明したかった」と嫉妬されました。
Levi’s® 501XX
ジーンズの起源にして頂点というべき「501」。デニムのほとんどは501が参考になってるといって過言ではない。そんな501の完成形といわれるのが1947年のモデル。充実と洗練のディテールに、同年から2本針のミシンが導入され品質も格段に安定。歴代随一の完成度を誇った。本作は当時のモデルを忠実に復刻したもの。
ディテールもリーバイス®の発明品
リベット
ポケットが破れないようにするための補強で、もとはリーバイスだけの意匠。後に多くのワークブランドも取り入れるようになった。
赤耳
外側の縫い代裏の耳は反物の生地を効率よく使った証。生地メーカーが供給先を判別しやすいよう色分けし、リーバイス®は赤だった。
ツーホースパッチ
1886年にタフさを保証する革パッチが腰に付属。デニムを2頭の馬が引っ張っても壊れない様子が描かれ、丈夫さをアピールした。
アーキュエットステッチ
1873年に誕生。もとはポケットを補強する当て布を縫い付けたステッチだった。名前のとおり弓、またはイーグルがモチーフとされる。
織りによってタテ落ち具合が変わります
デニムはインディゴ染めしたタテ糸と、未染色の白いヨコ糸による綾織り。斜めに織り模様が出るのが特徴で、右と左の2つの方向がある。その方向が違うと、色落ちの表情も違ってくるのだ(以下のデニムは参考商品)。
スラっとしたタテ落ちが特徴
リーなどが代表的な左綾デニム。左撚りの糸と同じ方向で織っていくため、糸の撚りも締まって生地感がフラットになる。するとキレイなタテ落ちになり、全体的に淡いブルーになる。
コントラストのある色落ち
デニム表面の織り模様が、右上から左下に向かうのが右綾。リーバイス®をはじめ、ほとんどがこの右綾デニムを使用。ざらついた生地感になり、コントラストのある色落ちになりやすい。
連載
ボーイな女のデニム&Tシャツバイブル
「センスがなくても幸せならいい。皆好きな服を着るべきだもの。」は、102歳で亡くなった世界最高齢のスタイル・アイコン、アイリス・アプフェルの言葉。自分が心地よく、ご機嫌になれるのが、いちばん。気取らないデニム&Tシャツは、まさにそんな服。ボーイな女の必須アイテムでもあります。本特集で、たくさんの“好き”との出会いがありますように。ボーイな女、FOREVER!
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[LaLa Begin 2024年 SUMMERの記事を再構成]photo : Kazumasa Takeuchi, Saori Fushimi text : Mikiko Manaka, Aki Maruyama, Miho Oashi, LaLa Begin styling : Aki Nitta hair & make-up : Yuri Arai model : Julie Hachiya