Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES クローゼットに着たい服がない⁉【ワードローブ迷子】の解決法はおしゃれ賢者がヒント!

2024.05.09

ボーイな女の洒落見えワードローブのつくりかた

クローゼットに着たい服がない⁉【ワードローブ迷子】の解決法はおしゃれ賢者がヒント!

“選択肢を絞る”もおしゃれへの近道

クローゼットには山ほど服があるのに、なぜか着る服がない、どう着たらいいかかわからない。これって服好きのあるあるな悩みでは? そこで話題のおしゃれ賢者にインタビュー。好きなものだけに囲まれた彼女たちのワードローブには、お悩み解決のヒントがありました。

“私らしいスタイル”が自然とルールになっていた

 

デミルクス ビームスのカリスマスタッフなどを経て、同ブランドの人気プレスに。きれいめで芯のある目黒流スタイルは、ビームスのウェブサイトやInstagramなどで話題。本日のバッグなど自身がプロデュースする通称「.Mライン」も好評。Instagram:@meguro_etsuko

「若い頃はトライ&エラーの連続で、トレンドや憧れのブランドに魅かれて失敗したこともたくさんあります。30代半ばからですね、好きなものと似合うものがひとつになっていったのは」

ワードローブを本格的に整理したのは、40代で本を出すことが決まってから。

「手元にある服のじつに半分以上がたんすの肥やし、というやつでした。好きだけど似合わなくなったり着なくなったものを手放してみたら、クローゼットも気持ちもぐんと軽くなり、自分の服選びにはルールがあることにも気づいたんです。色はモノトーンやアースカラー、服はノースリーブやロングスカート、シルエットはIラインやAライン。どれも自分の心が落ち着き、人からもあなたらしいねと言われる服ばかり。骨格診断やパーソナルカラー診断の結果どおりの服でもあり、自分に似合うものを再認識できました」

ただ、同じ服ばかりは飽きるし、時代の流れもあるので、ときどきアップデートも必要。

「お買いものでは必ず試着し、ショップスタッフにアドバイスを求めて客観視します。苦手な色や形でもアイテムによっては似合わせが可能だし、気に入っても似合わなければ踏みとどまることができるからです」

ずばり、目黒流ワードローブのコツとは?

「まずは軸になるボトムスを決めるのがおすすめ。それに合うトップスだけを残せば、おのずとワードローブは整理できます。我慢したり面倒だったりする服は結局出番がなくなるので、心地よくてお手入れしやすい服を選ぶのも大切です」

土曜日は不動産屋さんへ。たくさん歩くので足元はローファーに。センタープレスで美脚効果ときちんと感を兼ねたこのパンツ、こんな風にオーバーサイズのロンTとベストを合わせれば途端に休日仕様になるんです。

自分が“快”なことはすべて正解

ミニマリストへの道は、フリマアプリにはまったことからはじまったと昼田さん。

「まずはネイル、次は服と処分する中で、ふと自分のスタイルってなんだろう?と思ったんです。そこで自分が心地いいと思える“快”な服だけ残し、不快な服を手放していくことに決めました」

それは気づきの連続でした。

「時間やエネルギーを奪っていた不快な服がなくなるにつれてストレスが減り、余裕も生まれました。こうして残った服こそが自分にとっての正解。ファッション誌の編集者として、長年自分の軸を探し続けてきましたが、じつはすでに自分の中にあったんです」

約1000枚の服を手放し、今はお気に入りのシャツやパンツを中心に精鋭20枚を着回す日々。

「服には概念がくっついているもの。この服全然着ていないけど高かったんだよなとか。それは服ではなく概念が捨てられないだけ。丸2年出番がないなら、ほしい人に譲って役立てるのも手です。大石を動かすのは大変だけれど、小石なら動かしやすい。私がまずはネイルから手放したように、小さなものから取捨選択するのもおすすめです」

クローゼットは私だけのセレクトショップ

「きっかけは公園で見かけたマダム。砂場で子どもを遊ばせていたんですが、エルメスの鞄を携えた白いスーツ姿がなんとも優雅で、私もそんな歳の重ね方をしたいと思ったんです。そこでこれからは自分のセレクトショップをつくるように本当に欲しいものだけを集めることにしました」

途中、代替品を求めて後悔したことも。

「本命がいるのに、好きではない人と付き合ってしまった気分。ものを適当に選ぶことは、自分を適当に扱うことだと反省しました。物欲を止めるため、欲しいものの切り抜きを紙に貼ってイメージを膨らませたこともあります」

今、Katieさんはバーバリーのトレンチコートなど好きな服22着と暮らしています。

「どれも長く使うほど味が出て、理想の自分でいられる服ばかりで、十分着回せています。ジェーン・バーキンがエルメスの鞄をクタクタになるまで愛用したように、フランスにはいいものを長く使う文化があります。そうやって好きなものだけに囲まれていれば、自然と自分らしいおしゃれは叶うもの。まずは内なる自分に、何が心地いいのか尋ねるところから始めてみては」

※掲載内容は発行時点の情報です。

[LaLa Begin 2024年 4-5月号の記事を再構成]photo : Masahiro Tamura, Saori Fushimi text : Mikiko Manaka, Miho Oashi, Yuka Dosaka, LaLa Begin styling : Aki Nitta model : Mito Yokota hair & make-up : Chiho Hatae

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