Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES 古着屋でも人気のドイツ製【フラワーベース】。プロがおすすめするお手頃アイテムとは?

2024.03.26

古着の目利き力を養う「ヴィン」覧

古着屋でも人気のドイツ製【フラワーベース】。プロがおすすめするお手頃アイテムとは?

おしゃれに古着を取り入れたい、けれど古着道は奥深い……。そこで、目の肥えたその道のプロに、古着の魅力と選び方を伝授いただきます!

ドイツ製のフラワーベース
予算: ¥7,000~

ヴィンテージの魅力をプロに学び、審美眼を養うことを目的とした本連載。今回は、古着屋でよく見かけるドイツ製のフラワーベースを深掘り!

涼し気&お手頃なガラス花器がグッド

─ドイツ製のフラワーベース、どんなものが人気ですか?

岩舘 「ファットラヴァ」と呼ばれる、厚みのある釉薬がかかった陶器が人気です。

※1

ファット(fat)は「太った」、ラヴァ(lava)は「溶岩」という意味があり、溶岩のようにゴツゴツとしたテクスチャーが特徴。特にこうした釉薬は1970年代以降、国の法律により使用できなくなったので、希少性も高い。さらに人気度が増していますね。

─フラワーベースというか、芸術性が高いオブジェのようですね。

岩舘 実際オブジェとして使われることも多かったようです。陶器は吸水性が高く、水漏れのリスクもなくはない。下に受け皿を敷いたり、ドライフラワーを入れて楽しんでもいいと思います。

─なぜドイツでフラワーベースが盛んにつくられたのですか?

岩舘 戦後の復興事業の一環だったようですね。ただ、ファットラヴァをつくっているのは現在もドイツで1社だけと聞いています。

─他にはどんなフラワーベースがありますか?

岩舘 最近は白い陶磁器に力を入れています。

60年代から70年代にかけて生産されたもので、幾何学的な模様やシルエットが特徴です。また陶磁器にはガラス質が多く含まれているので、水漏れの心配もありません。白なので花を生けても色を邪魔することなく、またデザインやサイズのバリエーションも豊富で、より実用的だと言えます。

─ガラス製もありますね。

岩舘 一輪挿しの花器も仕入れています。

ガラス製なのでこれからの季節、家具の上に飾ると涼し気な印象で、インテリアのポイントとしてもおすすめ。価格も7000円くらいからあるので、初めてのヴィンテージ花器としても挑戦しやすいと思います。

白の陶磁器の裏を見ると、それぞれ製造を手がけたメーカーの裏印が。花器の生産が盛んだった60年代から70年代には、工場の規模にかかわらず100社以上のメーカーが存在していたとか。逆にファットラヴァなどの陶器は、作家性のあるものも。裏には手描きのサインなどある場合も多い。ファットラヴァで有名なメーカーは、旧西ドイツで創業したシューリッヒ社。赤などの釉薬を使った縦長の「ローラ」というシリーズ(※1)が代表的。

 

 

住所:東京都目黒区中町1-6-14 1F/2F

営業時間:12:00~19:00

定休日:水曜日

Instagram:@film_vintage_tokyo

※掲載内容は発行時点の情報です。

[LaLa Begin 2024年 2-3月号の記事を再構成]photo : Ayako Kubota text : Miho Oashi

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