ブランド研究【BRIEFING】
ミリタリーを背景にもつ才色兼備な「ブリーフィング」のアタックパックを徹底解説!
バランス感覚に優れた、日本発の“ミルスペック”バッグ
ブリーフィングは1998年に創業した日本のバッグブランド。タグには“MADE IN USA”とあるので、見た目の無骨な雰囲気からも、アメリカブランドっぽいと思っていた人もいるのでは?
じつは日本で企画・デザインされ、一部コレクションを米国で生産しています。
ブリーフィングのスタンダードアイテム「アタックパック」
アメリカ軍が使用する物資を調達する際に用いる規格を総称した“ミルスペック”に基づいたバッグ作りでメンズから火がつき、快進撃が始まりました。
とはいえ、決してミリタリーグッズを作っているわけではなく、最もこだわっているのはミリタリーの要素や雰囲気をファッションに落とし込むこと。あくまでもタウンユースを意識したアプローチで独自の機能美をたたえ、ブランドの豊富なバリエーションを生み出す源になっています。
代表作の“アタックパック”はやや小ぶりのサイズ設計で、女性も持ちやすいバックパック。荷物が十分に収納できる容量と、多めのアウトポケットを備えています。
本物だけどマニアックにならず、ファッション性もあるけど華美でない、そんなバランス感こそブリーフィングの魅力です。
9・11のテロで米国生産がストップしたことも
ブランド名の下に“MADE IN USA”と記されたタグには、ブリーフィングの信念が刻まれています。2001年にアメリカ同時多発テロ事件が起きた際は、ブリーフィングの生産を担う工場へ米軍からの発注が急増したために、一時期生産がストップしたことも。
ブリーフィングたらしめているバッグの“顔”
\1.メイン素材にバリスティックナイロン/
アメリカの化学会社・デュポン社が開発した、頑強なナイロン素材を使用しています。生地は厚手で硬く、通常のナイロンの約5倍強度を誇ります。ブリーフィングが使用しているマテリアルのなかで、最もタフな素材です。
\2.YKKのダブルファスナー使い/
メイン室や外装ポケットには、日本が世界に誇るYKK製の大型ファスナーを使用しています。手袋などをしたままでも開閉しやすいように、ファスナーの引き手はループ状のヒモになっています。
\3.ナイロンテープの“レッドライン”/
ブリーフィングのアイコンともいえるナイロンテープのレッドラインは、バッグ自体の耐性を強めるだけでなく、スライドクリップを取り付ける際に視認性を高める役割を果たしています。
\4.ミリタリー由来のウェビングテープ/
レッドラインが入った太いナイロンテープは“ウェビング”と呼ばれ、こちらもブリーフィングのバッグには欠かせない意匠です。バッグ自体を補強する役目があります。
ブラック以外に濃いめの青色、“ディープシー”もスタンバイ
W30×H45×D13cm 4万4000円
スタンダードなブルーよりも濃度が高い“ディープシー”。その名の通り、まさに深い海の中をイメージさせる色合いです。2019年に登場し、一躍人気カラーに。清潔感があり洗練された雰囲気で、どこか上品さを感じます。
連載
ブランド研究【BRIEFING】
街を歩けば、あちこちで愛用者を目にするブリーフィング。無類のタフネス&機能性を語るブリーフィングのバッグは、デイリーユースからビジネス、旅行まで幅広いシーンで大活躍! 実用的なライフスタイルギアとして支持されるバッグブランドの実力と魅力に迫ります。
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[LaLa Begin 2021年 8-9月号の記事を再構成]写真/武蔵俊介 構成・文/名知正登