【ヴィンテージ探訪】掘るほど面白い「ファイヤーキング」
掘るほど面白い「ファイヤーキング」
ヴィンテージの魅力をプロに学び、審美眼を養うことを目的としたコラム。まず一つ目は使ってよし、飾ってよし、なファイヤーキングのマグについて学びましょう!
教えてくれたのは

ヴィン腕講師
ディーラーシップ 井川雄太さん
―ファイヤーキングはどんなブランドなんですか?
井川 1941年から1986年までアメリカで製造されていた耐熱ミルクガラス食器のブランドです。当時は一般家庭向けのキッチンウェアとして、またはダイナーなどの業務用として大量に生産され、安価で販売されていました。ほかにも販促用として配布された企業コラボなど、バリエーションは豊富。ぽってりとした乳白色のミルクガラス製でかわいい見た目です。
―定番の商品は何でしょう?
井川 「ジェダイ Dハンドルマグ」が王様的な存在です。
この独特の色はアジアを代表する宝石、翡翠が由来。1940年代のアメリカではオリエンタルブームがあり、人気があった色なんです。他にもアイボリー、ターコイズブルー、ミルクホワイトがあり、各色生産の時期は異なります。1950年代に3年間だけ製造されたターコイズブルーは希少性が高く、レアですよ。
そう聞くと使うのはもったいないと思うかもしれませんが、ファイヤーキングは使ってこそ真価があります。たとえばコーヒーを入れるとうっすら透けてとても美しいんです。
―これらすべてDハンドル、というんですか?
井川 正式名称は「8オンスコーヒーマグ」です。2本の指を入れ、親指で支えて持つように設計された取っ手がDの形をしているため、通称Dハンドルマグと呼ばれています。ちなみにマグの底には、時代により異なる刻印が入っているのも、マニア心をくすぐるポイント。
―業務用はどう違うんですか?
井川 レストランなどに納品された業務用は「レストランウェア」と呼ばれ、通常のファイヤーキングよりも厚みがあり、ずっしりしたフォルムでより頑丈なのが特徴です。
業務用はハンドル太め
―タフな作りも魅力なんですね。
井川 製造されてから80年経った今でも日常的に使えるのはすごいことですよね。ちなみに光沢感を保つためには食洗機は使わないほうがベターです。
―ずばり、ファイヤーキングの一番の魅力は?
井川 同じ製品でも微妙に色合いが異なるといった、製造工程に由来する1点モノ感でしょうか。しかもヴィンテージ市場でも世界中にコレクターがいるので常に今が最安値。ぜひお気に入りを見つけてみてください。
TOOLS & INTERIOR 100

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