職人とユーザーを繋ぐ、ビギンの新しいコミュニケーションスペース
材木屋さんの
立体〇×ゲーム
西洋を起源に、日本でも遊ばれてきた三目並べ。通称、○×ゲームが3Dになってビギンファンディングに登場! 動かしたり、被せたり。立体だからこそプラスできる新ルールが追加され、老若男女みんなで楽しめます。制作を担当したのは、創業100年以上の「榎戸材木店」。外遊び好きスタイリストでありライフスタイルギアブランド「カンカン」のディレクターでもある近澤一雅さんとの異色コラボによって、杉の端材を有効活用することに成功しました。
西洋を起源に、日本でも遊ばれてきた三目並べ。通称、○×ゲームが3Dになってビギンファンディングに登場! 動かしたり、被せたり。立体だからこそプラスできる新ルールが追加され、老若男女みんなで楽しめます。制作を担当したのは、創業100年以上の「榎戸材木店」。外遊び好きスタイリストでありライフスタイルギアブランド「カンカン」のディレクターでもある近澤一雅さんとの異色コラボによって、杉の端材を有効活用することに成功しました。
空前のキャンプブーム。世代や性別を問わずみんなで楽しめるところが、人気の衰えない理由でしょう。ただ……雨が降り出すと途端に時間を持て余してしまうのが、玉に瑕。今回のプロジェクトで完成した進化版○×ゲーム「can can CAPS(カンカンキャップス)」は、雨宿り中でも楽しめる二人用の陣地取りゲームです。誰もが知る単純明快な定番ゲームから派生した本作を企画・監修したのは、ビギンで活躍中のアウトドアスタイリスト・近澤一雅さん。「外でも家でもどこででも!遊べるゲームです。勝負の行く末を見守っているだけでも楽しめます」。
“can can CAPS(カンカンキャップス)”誕生の裏には、“自然を愛する気持ち”でつながった異色の出会いがありました。左は1916年創業の「榎戸材木店」5代目にして、大の木工好き榎戸勇人さん。右は本誌『ビギン』のアウトドア特集には欠かせないスタイリストの近澤一雅(SARUCO)さん。作る人と考える人がタッグを組んだことにより、品質とデザイン性、どちらも兼ね備えたアイテムに仕上がっています。
榎戸材木店は、世界でも最大規模の木材団地として知られる東京・新木場にある木工店。元は海外の木材を業者に卸す問屋でしたが、2014年に榎戸さんへ代替わりしたのをきっかけに、木工事業をスタート。工房の一部分を熟練の家具職人が自由に使えるようにし、技術や情報を交換しながらオフィス家具や店舗什器の製作をしています。
会社をあげて取り組んでいるのが、端材の有効活用です。端材を使ったオリジナルブランド「COCOChi(ココチ)」を立ち上げたり、定期的にワークショップを開催したり。切り落としただけの美しい木材に新しい命を吹き込みます。
端材とは、木材を切り出した際にできる余り。一般的には粉砕されてバイオマス燃料や養豚場の敷料としてリサイクルされています。ですが、焼却されるものも少なくないのが現状で、持続可能な社会に向けて改善すべき問題となっています。
ちなみに、“廃材”とは似て非なるもの。混同されがちですが、廃材は一度使用され役目を終えたコンクリートや木材のことです。
端材の可能性を広げられる。
作りたい欲がメラメラ燃えました
“can can CAPS(カンカンキャップス)”は、コマも台座も杉の端材を材料にしています。杉は柔らかで加工がしやすく、工芸品にも使われる素材。どれだけ工夫をして設計図を引いても、およそ2割は切り落としてしまいます。そのため榎戸材木店にも端材がたんまり。
「木工がめちゃくちゃ好きで、だからこそ端材も大切にしたい。ただ……いいアイデアが浮かばず、製作意欲がふつふつと沸き立つだけだったんです。そんな時に今回のコラボ話が!挑戦しないわけにはいきませんよね。木工の楽しさが、もっともっと広まればうれしいです」
制作の工程は、圧縮、削り、色塗りなど8つあります。コマづくりのベースとなるのは、杉の板を2枚重ねて作った長四角棒です。これをキレイな正方形に仕上げるのが、第一の難関ポイント。プレーナーという機械を使って、1mm単位で形を整えていきます。少しでもズレが生じると、最終的に使い物になりません。
現場を任されているのは、大森さん。趣味のアウトドア好きが高じて医療系の事務仕事から3年前に転身されました。ほかにも榎戸材木店には、自衛官やシェフの経歴を持つ方も。さまざまな出自を持つ工員さんが集まっているから、固定観念に囚われないモノづくりに挑戦できます。
第二の難関がコマを八角形にすること。昇降板という機械でカットしますが、辺の長さや角度の大きさを計算式で導き出しても機械で対応するには限界があるため、最終的な微調整は人の手に託されます。力を一定に加えないと、簡単に欠けてしまい、あらぬ方向に削れてしまいます。
「市場に八角形のものって多くはないと思います。たとえば鉛筆は、半分にしたものをくっつけて六角形にしている。経験上どこかでミスっても、最終的にリカバリーできるもんなんですが、今回だけは別。均整のとれた八角形にするためには、僅かな誤差も許されないので集中力を使います(笑)」
最後の工程は色付け。刷毛やスプレーではムラができるため、スポンジを使って一個一個ていねいに色を乗せていきます。木目を活かすために、潔く一度塗り。家族みんなで遊べるように、子どもが口に入れても害のない塗料を使っています。
「ペットをなでるみたいに、ず〜っと触っていたくなります」と大森さん。神経を尖らせて手間ひまかけて作っている分、作り手の思いもひとしおです。
どこでもできる、直ぐできる。
形と色にこだわりました
トランプやボードゲームなど、普段から気軽に遊べるアイテムを持ち歩いている近澤さん。“can can CAPS(カンカンキャップス)”のアイデアを思いついたのは、撮影現場での控え時間中だったんだとか。榎戸さんとは、共通の知人であるデザイン会社スタジオコアーの代表、岡崎さんを通じて知り合いました。「アウトドアを通じて身近な環境問題に関心をもっていた近澤さんと、廃材・端材の問題解決に努めていた榎戸さんなら、いいモノ作りができると思ったんです。榎戸さんは若くてセンスもいいし。案の定、相性抜群でしたね」と、岡崎さん。
「もともとアメリカ発祥の好きなボードゲームがあって、カンカンはそこから着想を得ました。僕らしくアレンジしたいな、と考えていた時に榎戸材木店に出会い、杉の端材をみかけてこれだ!と。それまでは、ユーズドのスケートボードを使ったサンプルも作りました(笑)。でも作るなら、やっぱり木がいいよねってことで、岡崎さんに紹介してもらったのが榎戸さんだったんです」
コマの形を職人泣かせの八角形にしたのは、大人も子供もつかみやすく、大きいコマを小さいコマに被せやすくするため。正方形だとスムーズにいきませんし、円柱だと手になじまず持ちにくい。八角形は、榎戸さんに何度も試作をお願いし辿り着いたベスト・シェイプです。
また、工芸品にも使われる杉材を使用したコマは、杉の美しい木目、そして鼻に抜ける爽やかな香りがインテリアとしても◎。これみよがしじゃなく、アクセントとしてすんなり馴染むカラーが、部屋を格上げするオブジェとして申し分なしです。
「同じ色に見えても、実際に塗ってみると全く違う。セージブルーは大人っぽい雰囲気のものを、マスタードイエローはポップで華やかなものを選びました。塗っても、うっすら木目が見えるようにしてもらったのもこだわりのひとつですね」
ルールは超シンプル。正方形の盤上で2人がコマを並べ、縦横斜め、早く一列揃えたほうが勝ち。3×3のマス目にコマを交互に並べて、縦横斜め、いずれか一列に自色のコマを並べたほうの勝ち。コマは一人につき、大中小×2の6個。移動させたり、小さいコマに被せたり。キャップ技と記憶力が戦略のカギ! ここではカンカンキャップスを楽しむための、必殺技の一例をご紹介しましょう。
自分のコマを動かして、既に置かれているコマよりも大きいサイズのコマを上から被せる(CAPする)ことができます。ただし大きいコマを被せすぎると、次に置くコマが不足してしまうので注意。
先にも触れたように、「記憶力」が重要なポイントです。なぜなら、コマを移動させるときに下のコマが出てきてしまい、相手のコマが一列揃ってしまうことがあります。下にあるコマを記憶しておかないと、うっかりで負けてしまうことがあります。
イラストで解説したルール説明書と、カンカンのオリジナルバッグ付きで、持ち運ぶ際にバラつかないのもうれしい。バッグはアウトドアグッズ入れにも◎。
最後に
端材の有効活用に悩む木工好きの材木店の5代目と、木製の○×ゲームを作りたかったアウトドア好きのスタイリスト。両者の思いが引き寄せた今回の異色コラボは、好きだからこそのこだわりが出来上がった“can can CAPS(カンカンキャップス)”に注がれています。勝っても負けても家族みんなで楽しめる◎な渾身作で、雨の日の退屈を吹き飛ばしましょう。
写真/宮前 一喜 文/妹尾 龍都
榎戸材木店について
1916年創業。カウンセリング、設計、製作など、木工に関する悩み事をワンストップで解決。雑貨ブランド「COCOChi(ココチ)」とフードトラック「うみねこ食堂」(ランチ営業)をプロデュースする。
東京都江東区新木場3-6-6
03-3521-5528
https://www.enokido-lumber.co.jp
COCOChi(ココチ)
Instagram:@cocochi___
うみねこ食堂
Instagram:@uminekokitchen
カンカンについて
「can can(カンカン)」は、近澤さんがプロデュースするライフスタイルギアブランド。ブランド名には「使用する人の輪が循環して大きく広がっていく」という願いが込められている。2021年から本格始動し、イン⇄アウトで活躍するアパレルや雑貨を取り揃える。ビギンマーケットでも好評発売中。
Instagram:@cancantokyo
編集後記
榎戸材木店は、イタリアで修業を積んだシェフが腕を振るう「うみねこ食堂」を敷地内で経営しています。1食30品目をモットーに作られるプレートランチの美味しさが話題をよび、全国放送のテレビで取り上げられた実績も。税込800円で、お腹いっぱいになりました。営業時間は平日の11:30~14:00。(バイヤー・ウラヤマ)
購入にあたって
このプロジェクトは、目標金額の達成に関わらず、プロジェクト終了日の2023年1月31日までに支払いを完了した時点で、商品の購入が成立します。商品のお届けは2023年2月下旬頃の予定です。
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