デニムのルーツを知っておく
ボーイな女にとってマストアイテムといっても過言ではないデニム。そのルーツを探りました。デニムといえばアメリカのイメージがありますが、じつは世界中にルーツあり!
デニムの歴史MAP
FROM USA[LOS ANGELES]
カウボーイから学生まで ~丈夫さ故に大人気~
鉱山のワークウェアとして広まった丈夫なデニムは、牧場や馬に跨る姿でもおなじみの光景に。カウボーイにも注目され、ウエスタンファッションにも欠かせないものとなりました。
1930年代にはジーンズをはいたカウボーイが映画に出演しはじめ、若者らがデニムに憧れを抱くようになります。そして東部の富裕層の間で、休暇を牧場で過ごす「デュードランチ」が流行。そこでリーバイスが観光客向けに「701」を発売。これが世界初の女性用デニムでした。
FROM USA[LOS ANGELES]
「カッコいい」の象徴に ~ファッションアイテムへの変身~
1950年代に入ると、デニムをはいた2人の映画スターが登場しました。
マーロン・ブランドは、『乱暴者』でライダースに501RXX、エンジニアブーツの姿で暴れ回ります。ジェームズ・ディーンは『理由なき反抗』で、白Tにスイングトップ、リーの101を着て熱演。
ともに若者からカリスマ的な支持を受け、ジーンズがファッションアイテムとして確立していきました。
FROM USA[SAN FRANCISCO]
2人のデニムの生みの親 ~デニム誕生物語~
リーバイスの創業者、リーバイ・ストラウスは1853年からゴールドラッシュに沸くサンフランシスコで、雑貨店を営んでいました。金鉱掘りたちから丈夫なワークウェアのニーズが高まると、キャンバス地を使ってパンツを作り一躍ヒット。その後はインディゴデニムを使うようになりました。
それから、取引先の仕立屋であるヤコブ・デイビスから「リベットで補強したもっと丈夫なパンツを作って、特許を取りませんか?」と相談を受けます。そしてリーバイスは1873年に特許を取得。これが現在のすべてのデニムの原型になりました。
FROM JAPAN
世界初のワンウォッシュは日本で生まれた! ~加工技術のはじまり~
元来デニムは糊づけされていますが、昔の日本では硬くて不人気。そこで1965年、マルオ被服がワンウォッシュデニムを販売。その後、世界的なスタンダードになる発明でした。
FROM ITALY
「ジェノヴァ」= ジーンズ ~ジーンズの語源~
17世紀の港町ジェノヴァは、アメリカに物資を輸出するための集積地でした。アメリカではジェノヴァからやってきた船員たちがはいていた、コットンツイルのトラウザーズをジェイノーズ、ジェンズと呼んでいたとか。この発音が変化して、ジーンズという言葉になった説が有力なんだそう。
FROM FRANCE
元を辿るとフランス生まれ? ~デニムと呼ばれるまで~
デニムという言葉のルーツを辿ると、18世紀フランス・ニームに行き着きます。当時は織物が盛んで、Serge de Nîmes(セルジュ ドゥ ニーム)と呼ばれた綾織りのサージ生地の名産地。ただ素材はコットンではなく、ウールやシルクでした。
経緯ははっきりしませんが、セルジュ ドゥ ニームが語源で、コットンの綾織り生地をデニムと呼ぶようになったと考えられています。
COLUMN:流れをつかむ! デニム年表
1870’s…リーバイとヤコブがデニムの原型を開発
1873…リーバイスが特許を取得
1880’s…丈夫さが炭鉱労働者やカウボーイに大人気
1940…作業服からファッションアイテムへ
1953-1955…ハリウッドスターたちがぞくぞくとデニムを着用
1960’s…ヒッピーや反戦運動を通して若者たちの間で定着
1965…岡山県倉敷市で世界初のワンウォッシュデニム誕生
連載
BASIC RULES
LaLa Beginが定義する「服好き」、あるいは「服好き」予備軍さんへ、おしゃれの心得をご紹介します。色使いやコーディネート、メンテナンス方法から知っておきたい蘊蓄まで。おしゃれバイブルとして参考にしてみて!
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[BASIC 100 RULES Autumn-Winterの記事を再構成]