スウェットはディテールを見て選ぶ
袖や裏地、素材に注目しよう
袖付け
肩回りの自由度を大きく左右するのが、スウェットの袖付け方式。
30~40年代から存在するものの、今なお最もポピュラーなのが“セットイン”。40~50年代から存在するとされ、最も腕の自由度が高いのが“フリーダム”。50~60年代から登場し、快適な着用感で現在でも人気が高いのが“ラグラン”。
ちなみにフリーダムスリーブのスウェットは作るのに最も手間暇がかかるため、現代ではほとんど見られなくなったのだそう。
1/3:セットイン 2/3:フリーダム 3/3:ラグラン
袖のリブ
ここではとくに通から評価の高い袖のリブを解説。
まず一般的に“長めのリブ”は古きよきスウェットの代表的意匠で、ここに注目する服好きも多数。袖の内側が“V字”にカッティングされたリブも、スウェット黎明期特有のディテールで、フィット感を高めるために考えられたといわれています。“輪編みのリブ”は、ぐるりとまったく接ぎ目がなく、肌触りと耐久性に優れるのが魅力。
1/3:長めのリブ 2/3:V字カッティング 3/3:輪編みのリブ
同じように見えて、じつはビミョ~な違いがあるんですね。
裏地
スウェットの裏地はおおむねこの2種のどちらか。
“ループ=輪っか状”に編み上げられている裏地は、吸湿性と適度な保湿性、ふっくらやわらか~い肌触りが特徴。対する“起毛”のフリース地は、抜群の保温性が魅力です。
ループ
起毛
コットン生地がかつてウールジャージーの代用素材だったため、見た目だけでも高価なウールに近づけるべく考案された、という説も。
素材
現在スウェットに使われる素材の2大派閥が“コットン100%生地”と、“コットン×ポリエステルの混紡生地”。前者はやっぱり肌触りがソフトで、洗濯を繰り返すうちに体になじんでくれるのがウリ。一方後者は軽く、シワに強く型崩れもしにくいため、ヘビロテしたい人にはうってつけです。
見た目だけで判別するのは難しいので、表示を要チェック。特徴が異なることを覚えておきましょう。
首のV字って何?
汗止めや伸縮性を高めるためにつけられたV字リブは、“ガゼット”と呼ばれます。写真は前後両面に備えられた通称“両V”。
連載
BASIC RULES
LaLa Beginが定義する「服好き」、あるいは「服好き」予備軍さんへ、おしゃれの心得をご紹介します。色使いやコーディネート、メンテナンス方法から知っておきたい蘊蓄まで。おしゃれバイブルとして参考にしてみて!
連載目次はこちら
※掲載内容は発行時点の情報です。
[BASIC 100 RULES Autumn-Winterの記事を再構成]