やっぱり青が好き
畑から染めまで⁉【藍染め】にとことんこだわる「BUAISOU」って?
[LaLa Begin 2018年 8-9月号の記事を再構成]
藍染めが好き!
Blue dictionary
Indigo【藍】
[用語]あい
「蓼藍(たであい)」を使った植物染料のこと。藍に含まれる、水溶性で無色のインディカンという物質を加水分解することで、インドキシルとグルコースができ、空気に触れて酸化してインディゴが生まれる。インディゴが溶けた染液に布や糸を浸し、引き上げて空気に触れさせることで酸化し、青く発色する。
藍の聖地・徳島へ
藍の青にこだわる「BUAISOU」に行ってきた
藍への愛ゆえに畑から染めまで全部やってる
日本で古くから馴染みのある青といえば、藍染めのインディゴブルー。藍染めの産地は国内にいくつかあるのですが、リサーチしたところ、藍染めの魅力にはまって藍を育てる畑からつくってしまった藍染め男子たちが徳島にいることが発覚!
\苗から育てています/
女性誌初潜入で、取材を急行してきました。
阿波おどりだけじゃない、徳島は藍染めもすごかった!
青といえばまずジャパン・ブルーを掘ってみたい!と、徳島県は上板町へ行ってきました。
羽田空港から徳島阿波おどり空港まで飛行機で1時間、空港からは車で約40分。日本最大の藍の産地、徳島県・上板町にブアイソウのスタジオと畑があります。
なぜここが藍の産地かというと、江戸時代に起きていた吉野川の洪水によって、藍を育てるのにうってつけな土壌が生まれたから。中でも今、国内外のファッション業界から大注目を浴びているのが「ブアイソウ」なんです。
通常、藍染めの工房では、藍師といわれる職人から蒅(すくも)を買い、染めの作業だけを行うのですが、ここではなんと自分たちで藍から育てるというこだわりよう。代表の楮(かじ)さんいわく、「自分たちの藍色をつくりたかった」から。
\全ての作業をみんなでやってます/
手がけてるのはこの4人! 代表の楮 覚郎さん(右から2番め)は大学で草木染めを学び、藍染めの面白さにはまり徳島へ。2015年、ブアイソウを立ち上げた。
聞けば、藍染めってものすごく手間と労力のかかる作業なんです。例えば、春に植えて夏に刈り取った藍の葉は秋冬に発酵させてからようやく使えるようになるし、染め液も常に発酵を保たないといけなくて、藍の菌はアルカリ性を好む生き物だから毎日のph値管理はマストだし、とにかく美しい藍色を出すには大変な苦労があるんです。
こうしてできあがるブアイソウの藍色は、濃くて深みがあって、でも化学染料とは違う優しさがある。藍への愛、半端ないです!
藍染めの原料、「蒅」からつくってるのは徳島でブアイソウだけ!
これが藍染めの原料
写真上が蒅。藍の葉をひっくり返しながら天日乾燥させ、水やりと攪拌を繰り返し、約100日かけて自然発酵させたもの。アルカリ性を保つための木灰、貝灰、菌の栄養となる麩を加えて一緒に混ぜ(藍建てという)、発酵させることで染め液ができあがる。
左から蒅、麩、貝灰、木灰
\空気に触れるとどんどん青くなる/
素手で染めるので手も真っ青
デニム用の糸を染めているところ。ブアイソウの最大の特徴は、一度液に浸して引き上げた際の青が濃いこと! 液の中は見えないので、素手の感覚を使ってムラなく染めていく。
\いろいろ染めてた!/
Tシャツは3色展開。ですが、染色日、藍建てしてからの日にち、染めた回数によって色が微妙に変わるのも藍染めの魅力。各1万3000円、バンダナ5500円、手縫い糸各1000円、マグカップ5500円(ブアイソウ)
連載
やっぱり青が好き
色に溢れ、どんな色だって好きに選べる時代ですが、青ってじつは、私たちの最も身近にある色かも? デニムやシャツの定番色だし、ジャパン・ブルーって言われるくらい日本人とは縁が深い。ここらで一度、青を見つめ直し、好きな理由を掘ってみよう。
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[LaLa Begin 2018年 8-9月号の記事を再構成]写真 池本史彦 PYRTE FILMS / 竹内一将 STUH 文 間中美希子/ 灰岡美紗 スタイリング 長坂磨莉 イラスト 川合翔子