偏愛レボリューション
女優・伊藤修子さん的“香港愛”を調査! きっかけとなったのは…?
[LaLa Begin2020年6-7月号の記事を再構成]
偏愛レボリューション~Vol.1「香港」伊藤修子さん
いろんな人の偏愛を調査していく新連載、記念すべき第1回のゲストは、ドラマ『おっさんズラブ』の“マイマイ”で話題の女優・コメディエンヌの伊藤修子さん。
なにやら、かなりの香港フリークで、政府観光局からも「超級香港迷(大の香港ファン)」と認定されているほど。
彼女のSNSには懐かしの香港映画のパンフやカラフルな雑貨や料理など、これは気になる......さっそく伊藤さん的香港愛を調査してきました!
すべてのはじまりはあの(映画)スターでした
コレクションの一部、70~80年代香港映画のパンフや香港スターのタレント本。付録が「お楽しみ面白ポーズどっさりシール」だなんて、気になる!
「香港好きのきっかけですか?意識したのは90年代の後半、大学の演劇部にジャッキー・チェン好きの先輩たちがいて、映画『クレイジーモンキー笑拳』を何回も観せられては、これをマネしろと言われたんですよね。香港映画といえば当時はウォン・カーウァイの『恋する惑星』とかが流行ってましたけど、おしゃれなアート映画に少々コンプレックスがあって、そっち系にはあんまり興味が無かったんです......今は普通に楽しめてますけど」
伊藤さん、美大出身とお聞きして、入り口はおしゃれ映画と思いきや、いきなり真打ちジャッキーでしたか。でも当時はテレビの洋画劇場でもよく放送されてましたよね。酔拳のポーズとか、みんなやってました。
「ジャッキーをきっかけにマイケル・ホイの『Mr.BOO!』シリーズとか、リアルタイムよりちょっと古い80年代ぐらいの香港カンフー映画を片っ端から観るようになって。学生時代は女子で話が合う子は全然いなかったんで、ひっそりと。大人になって少しずつ香港映画好きを口にするようにしていったら、けっこう身近に好きだって人がいて、ズブズブと好きが加速していきました」
そう言いながら見せてくれたのは沢山の映画パンフや音楽CD。カラフルでゴキゲンなデザインやタイトルに興味津々!
はじめて買った映画『Mr.BOO!』のサントラ(右)と『香港EXPLOSION』(左)は思い出の2枚。
「こういう映画パンフは日本だと神保町でよく探すんですけど、ひとつ買うと店主が奥からどんどん出してくれちゃって。映画のサントラだと、このCDでしか聴けないオリジナル音源がどうしてもほしくて、ヤフオクで2年間見張り続けてやっと落札したり。映画はリアルタイムじゃなかったけど、スターがまだ現役で歌手活動してると知って、居てもたってもいられずに、日帰りでサミュエル・ホイのライブを観に行ったのが、はじめての香港旅だったんです」
本気の香港旅は基本一人で行くんです
香港らしい色使いの食器は「旅のあいだ常に探していて、見つけたら必ず買っちゃいますね」
実際に香港に行くようになったのは意外にも数年前なのだとか。そして旅の目的は観光でも食でもなくて、ひたすら買い物とロケ地巡りという偏愛っぷり。
「日本では高値になっているCDやDVDを探したり、リサイクルショップや道具屋を巡って食器や日用品を探したり。」
「あとは映画のロケ地巡りなので、基本的に香港旅は一人。よく、案内してほしい〜なんて言われたりしますが、何もない原っぱに連れてこられても、ねぇ。ロケ地としてはアツいんですけどね(笑) 。食事もグルメなお店というよりも、大衆食堂や喫茶店でとることが多いですし」
そんな一人香港旅で出合った雑貨や日用品は戦利品。
「イイものを見つけたら光の速さでどんどん買います(笑)。街の食堂にあるようなカラフルな食器とか、メイドイン香港の魔法瓶『駱駝牌CAMEL』の水筒は気に入っていて、普段から使ってます」
となると、おうちのインテリアも香港テイストですか?
「徐々にそうなってますね。『恋する惑星』で有名になったパタパタ時計も中文表示のものが部屋にありますし。ゆくゆくは香港の団地みたいに、壁が水色だったりする部屋にしたいんです」
伊藤さんが醸し出すなんともいえないユーモラスなかわいらしさは、往年の香港映画スターやレトロな雑貨の雰囲気とぴったり。
「確かに『Mr.BOO!』には俳優としても影響受けてると思います。私だったらこの役だな、とか妄想しながら観てますし。生きてる間に一度でいいから共演のチャンス、ないですかね」
伊藤修子さん
女優・コメディエンヌ。偏愛の対象は香港のほかに編み物も。MBSドラマ「ピーナッツバターサンドウィッチ」に権田所長役として出演中。Instagram:@itoshuko Twitter:@ito_shuko
伊藤さん行きつけのお店
甘辛味の叉焼と塩味のローストポークの欲張りライス!「ついついコレを頼んじゃいます」
香港式フレンチトーストは中にジャムを挟み、卵をつけて油で揚げる。こちらはカヤジャム入り。450円
香港 贊記茶餐廳
まるで香港の町から抜け出してきたかのような、香港ローカルな雰囲気満点のお店。「チャンキチャチャンテン」と読みます。「茶餐廳」は、昔ながらの喫茶店のこと。
住所:東京都千代田区飯田橋3-4-1
TEL:050-5595-2328
営業時間:11:30-22:30
定休日:無休
HP:https://chankichachanten-iidabashi.jp/
調査報告
何かにハマった時って、ついオタク仲間を作って群れようとしちゃいがちですが(それも楽しいんですけどね)、「基本1人で興味のあることだけ」を貫く伊藤さん。静かな熱量が印象的でした。教えてもらった映画『Mr.BOO!』シリーズが最高で(とくに吹替版)、一気見しちゃいました! 偏愛の扉、開いちゃったかも......。
Profile
雑貨コーディネーター。雑貨や日用品、手みやげはパケ買いが得意。偏愛ジャンルは、プロ野球、ハロプロ、AMラジオ、猫。著書に『DAILYGIFTBOOK 気持ちが伝わる贈りものアイデア』(文藝春秋)がある。Instagram:@omomuroni
連載
偏愛レボリューション
偏愛は毎日をちょっと楽しくする小さな“革命”! どんなにマニアックだとか、ファン歴なんて関係ないのです。いつの間にか夢中に……あぁ、“好き”があるってしあわせ。そんな偏愛ビトをレポートします。
連載目次はこちら
※掲載内容は発行時点の情報です。
[LaLa Begin2020年6-7月号の記事を再構成]写真/服部希代野 インタビュー・文/オモムロニ。 ヘアメイク/HACHI ※店舗の営業時間や休業日などが変更されることがあります。最新の情報については、店舗にお問い合わせください。なお、お問い合わせがつながりにくくなっている場合があります。 ※表示価格は税抜き