漬け活24時
【ぬか漬けQ&A】ぬか漬けの始め方って? 発酵マイスター・榎本美沙さんに聞きました!
注目度UPの健康食
ぬか漬けの始め方、楽しみ方
教えてくれたのは

料理家・発酵マイスター
榎本美沙さん
発酵食品や旬野菜のシンプルレシピが人気。オンライン教室「榎本美沙の料理教室」主宰。YouTubeチャンネル「榎本美沙の季節料理」も人気。著書も多数。Instagram:@misa_enomoto
漬け物の中でも抜群の知名度を誇るぬか漬け。腸活にいいと話題になり、一躍ブームに。そんなぬか漬けの魅力って?「育てる楽しさにつきると思います。漬ける野菜の種類、漬ける時間の長さによっても味が変わるので、その違いを楽しんでほしいですね」。

野菜に付着している乳酸菌や他の菌とのバランスで風味が変わるため、ひとつとして同じものはないそう。使い捨てではなく、繰り返し使えるのも新鮮! 「自家製のぬか床は愛着もわき、味も格別です」。発酵マイスター・榎本美沙さんによる、ぬか漬け講座のはじまり!
Q. どうやって始めたらいい?
A. 手づくりでも市販でも。ぬか床を用意しましょう
\1からコツコツつくるなら/

ぬか床を乳酸発酵させる方法。塩水を入れたぬかに、昆布、かつお節、煮干し、赤唐辛子などを入れて混ぜ合わせます。そこに試し漬けとなる漬け捨て野菜を入れ、常温において1日2回ほど混ぜます。その間、3~4日に1回は漬け捨て野菜を取り替えるのを忘れずに。15日程度で完成!
\江本さんオススメ! 市販のぬか床/

金沢大地のオーガニック わたしのぬか床タッパ付1㎏
原材料の米ぬかや、事前準備の捨て漬け野菜も国産オーガニック。1ヶ月以上発酵・熟成させた完熟タイプのぬか床。容器がセットなので、届いたらすぐ始められる。1620円(金沢大地)

発酵食堂カモシカのカモシカのぬか床 1㎏
国産素材のみで丁寧に仕込まれて、酵母菌や乳酸菌がたっぷり。すぐ始められる完全「生」のぬか床。「ぬか床クリニック」という独自のアフターサービスも。1800円(発酵食堂カモシカ)
Q. 野菜の漬け方は?
A. 塩揉みして水分をおさえてから入れましょう

野菜は洗って水分を取り、塩少々をまぶしてすり込みます。そのままぬか床に入れるか、塩が多い場合は軽く落としてから入れます。
Q. 毎日混ぜないとだめ?
A. 2~3日に1回のペースでOK
常温で保存する場合は1日1回混ぜるのがベストですが、実をいうと2~3日に1回でも問題ありません。冷蔵庫の野菜室で保存すると発酵がゆっくりになるので安心ですよ。
Q. どこで保管するべき?
A. 冷蔵庫の野菜室がいいでしょう
野菜室なら毎日混ぜる必要もなく楽です。野菜を新しく漬け込んだら混ぜるようにしましょう。しばらくお休みする場合は、ジッパー付きの保存袋に入れて、空気を抜いてから冷凍します。
Q. ぬか漬けにおすすめの野菜は?
A. アボカドもいいですよ!
意外なところではアボカド。縦に切って種を取り、皮をむきます。潰れやすいのでぬか床に漬けず、アボカドにぬかをまとわせ、ラップして冷蔵庫へ。半日ほどおくとコクが深まって美味!
Q. ぬか漬けをアレンジしたい
A. 刻んで納豆はいかがでしょう
刻んで納豆にトッピングすると、ぬか漬けの酸味と塩気がいいアクセントに。納豆のタレは少なめにして調整を。ごはんのおともや麺類にもおすすめです。
\榎本さんオススメ 市販の漬け物/

樽の味のすっぱい一口たくあん 昔味
たくあんもぬか漬けの一種。こちらは昔ながらの製法にこだわり、天日干しはもちろん、しっかり180日以上熟成した正真正銘のたくあんです。乳酸菌の酸味とコリコリとした食感を堪能して。 450円(樽の味)

column
ぬか漬けできれいになるって本当?ぬか漬け=腸活の話、聞いてきました。「腸の研究がすすみ、腸内細菌が肥満や生活習慣病、老化やストレスにまで関わっていることがわかりました。腸内細菌のバランスを整えることが健康や肌の状態の改善に繋がると言えます。食事は大切ですよ。腸内細菌をサポートしてくれる発酵食品と、そのエサとなる食物繊維の組み合わせがおすすめ。発酵食品であり、食物繊維を含んだ野菜を材料とするぬか漬けは、腸活の優等生ともいうべき食材なのです」
【教えてくれたのは】
國澤 純先生
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 ヘルス・メディカル微生物研究センター センター長
連載
漬け活24時

コスパは大事、タイパも大事、SDGsも健康も……。大事にしたいことが日々の生活にてんこ盛り! そんななかふと、とても身近で静かに私たちに寄り添ってくれている存在に気が付きました。主役ではないけれど、あると食事に厚みが増す、お漬け物。令和の今、美容・健康の側面から、発酵・腸活ブームがきて、ぬか漬けや麹、甘酒にも注目が集まり、おしゃれさも加わって漬け物は進化中。一日の時間を有効にしてくれる漬け物を、達人たちの簡単レシピとともにご紹介。「漬け活」が生活を整えるちょっとしたきっかけになることを期待して。
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[LaLa Begin 2024年 SUMMERの記事を再構成]photo : Shunsuke Musashi, Hoshito Omija text : Rie Murata, LaLa Begin illustration : Fumi Koike