Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES それでも生きているから、大丈夫。カーリーガールリンさんのポジティブマインドを保つ秘訣とは?【後編】

2024.04.06

止まり木観測 ~オトナプロフから見えた、100人のワークインライフ~

それでも生きているから、大丈夫。カーリーガールリンさんのポジティブマインドを保つ秘訣とは?【後編】

止まり木観測 ~オトナプロフから見えた、100人のワークインライフ~Curly Me ブランドオーナー・カーリーガールリンさん【後編】

編集部が「なんだか気になる働き方、生き方をしている」人と出会い、その人自身の生活の“止まり木”、より所について深堀していくこの企画。

子どもの頃に遊んだ「プロフィール帳」の大人版、“オトナプロフ”なるものを使って、これまでの人生についてあれこれ伺っていきます。

天然パーマやクセ毛を生かした「カーリーガールメソッド」をSNSで発信し、日本で初めてのカーリーヘア専用のブランド「Curly Me(カーリーミー)」を立ち上げた、カーリーガールリンさんの「止まり木観測」後編です。

本日の観測者 カーリーガールリンさん

大阪生まれ、カナダ育ち。Curly Meブランドオーナーで毛髪診断士。好きなお菓子は雪見だいふく。2020年からSNSでクセ毛を活かす「カーリーガールメソッド」の発信を始め、カーリーヘアのためのブランド「Curly Me」を立ち上げる。著書に『もう天パで悩まない! あなたのクセ毛を 魅力に変える方法』(青春出版社、2023)。 Instagram @curlygirl.rin 、Curly Me 公式サイト https://www.curlyme.jp/

カーリーガールリンさんのオトナプロフ

後編では、リンさんとカーリーガールメソッドの出会い、SNSでの発信やブランドを始めるきっかけなどについてお話を聞きました。

辛いことがあっても「まだ生きてるから大丈夫」と言い聞かせる

―自分のいいところは「常にポジティブなところ」、人からは「根性ある性格」とのことですが、どんなときにそう思いますか?

「ポジティブと書いたのは、私が忘れっぽい性格だからです。悪いことは忘れる。良いことも忘れちゃんですけどね(笑)。何か悪いことがあっても、死ななければいいというか、まだ私生きてるし、と思うようにしています。

「よく周りから『緊張しなさそうだね』、と言われるんですが、全然そんなことはなくて、恥ずかしがり屋ですし、すごく緊張もします。学生の頃はテストになるとお腹が痛くなって、途中退出しなくちゃいけないくらい。でもそれと向き合って、『大丈夫、これくらいじゃ死なないから』って何度も言い聞かせることで乗り越えてきたように思います。それに世の中で起きていることを考えたら、私の悩みなんて本当にちっぽけなものだなと」

幼少期の弟さんとの1枚

「ただ、私のポジティブさが、誰かにとってのプレッシャーにもなるんじゃないかと、最近は悩んだりもしています。『何でもできる! 頑張ればできる!』という発信が、他の人にとっては苦しかったりするんじゃないかとか……。これは実際に弟に言われて気がついたんですけどね。『みんながお姉ちゃんみたいに頑張れるわけじゃないよ』って。けど根本的な性格は変わらないし、そこも含めて受け入れていくしかないなとも思っています」

好きなものはずばり「人」! 人との出会いに感謝

―興味のある仕事ジャンルについて、「デザイン、イベント、空間デザイン」とのことですが、カーリーガールリンのほかに、クリエイターとしてもお仕事をされているんですよね。

「大学でグラフィックデザインの勉強をしていて、今もクリエイター業界にいます。高校も芸術系だったのですが、絵はそこまで上手くなかったので、将来どうしようと思っていたら、父に『リンは人のことを考えるのが好きだから、デザイン系がいいんじゃない』と言われて。たしかに!とピンときました。仕事ではクライアントがいるので、つくるものや方向性など決まっていますが、自分のブランドは自由につくれてとても楽しいですね」

―宝物の欄のところでも、「人」と書かれていますよね。やっぱり人が好きなんですね。

「そうですね。家族、会社、友達、フォロワーさんなど、人と話すのが大好き。私のブランドやSNSは、コミュニケーションで成り立っているものなので、人に恵まれていてありがたいです。ブランドを始めるときから、フォロワーさんにストーリーズのアンケート機能などを使って『ロゴどっちがいい?』と相談していました。今もたくさん相談していて、いい時代に生まれたなと思いますよね」

コメント等でも積極的にファンと交流している、リンさんのインスタグラムアカウント

「苦手だなと思う人にも興味を持つように心がけています。私も含め、みんな話をしたいはずなので、まずは話に耳を傾けることからだなと」

―特技が「マッサージ」というのも、誰かの役に立ちたい!という気持ちが見えるような気がします。

「私、マッサージを受けるのが大好きなんです! 猫背だし、小学校5年でぎっくり腰になったくらいで……。マッサージに一番お金をかけている気がします(笑)。だから人がどこが気持ちいと感じるのかわかるのかも。家族とか友達、パートナーにもマッサージしてあげてますよ」

2024年は飛躍の年に。次はアメリカでの挑戦

―ネクストステージはアメリカだと伺いました! アメリカのどこへ行くのですか?

「昨年結婚した夫と一緒に、今年の4月から1年ロサンゼルスに行くことが決まっています。 いったん今の仕事はやめてゆっくりしてから、Curly Meに力を入れてやっていこうと計画中です。ロサンゼルスには、クセ毛の人がたくさん集まる大きなコンベンションもあるので、そういったイベントにも参加するのが楽しみですね。それから、私と夫の趣味が登山なんですが、引っ越したら一緒にハイキングをしたいです」

―最後に、今後の夢や目標はありますか? 未来の欄に「地毛証明書がなくなり、あらゆるかみの毛が認められる世の中を作ること」と書いていますが、詳しく教えてください。

「最初は『この人は天パじゃなくてパーマなんじゃないか』とか、『このセットができるのはこの人の髪質が特別だからじゃないか』とか、半信半疑なコメントももらいました。『自分にはできない』という意見も多かったですね。でも、『とにかく1回やってみてください。やってみてよかったら、ぜひメソッドを発信してみてください。みなさん一人ひとりがクセ毛アンバサダーですよ』とお伝えしていたら、実践してくれる人がどんどん増えていきました。結果的には人生が変わったと言ってくれる方もいて、自分を好きになるきっかけになったのは嬉しいですよね」

「美容師学校だと、クセ毛の勉強はほとんどしないと聞いています。なので、髪のプロフェッショナルである美容師さんでも、クセ毛をどう扱ったらいいかわからない人が多いのかも。クセ毛をうまく扱う方法を美容師さんに伝えることも、私の大事なミッションだと思っていて、最近では大阪の美容師さんたちとコラボして、美容院でセミナーなどをやらせてもらっています」

「ブランドとしては、商品を増やすこともひとつの目標ですが、それ以上に、どうしたらクセ毛の人たちが快適に毎日を過ごせるかということに着目して、これからも商品開発をしていきたいです」

「そして将来的には、学校の『地毛証明書』のカルチャーがなくなったらいいなと思っています。一部の学校では、天パや生まれつき明るい髪色の子は、染めたりパーマをあてていないことを証明するためにわざわざ美容室で書類を発行してもらう必要があるんです。ナチュラルな髪なのに、なんか変ですよね。天パの子だっているし、日本人だからと言って、全員髪が黒くてストレートではないです。海外をルーツに持つ生徒も増えているなかで、世の中が変わっていかなきゃいけないなと感じています」

自身の経験を生かし、天パやクセ毛の人にもっと選択肢を広げるための活動をしているリンさん。ポジティブで楽しく発信する姿に、元気や勇気をもらいます。リンさんのフォロワーの中には、カーリーガールメソッドやCurly Meのプロダクトに触れることで、「人生が変わりました!」という人も。そしてその活動は、日本を飛び越え、これからアメリカへも広がっていきます。

“クセ活”は、ひいてはさまざまなバックグラウンドを持つ人が、今のままで生きやすくなる世の中をつくる活動にもつながっているように感じます。世界を軽々と跨ぎ、みんなを幸せにするリンさん。私たちも影ながらエールを送り続けたいと思います!


Curry Me 公式オンラインサイト https://www.curlyme.jp/

写真/西あかり 文/大芦実穂 イラスト/斉藤知子

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