原宿キャシディ・八木沢さんのメンズララビギン
原宿キャシディ・ 八木沢さんが、ずっと手元に置いておきたいものとは?
「メンズだけどララビギン読んで ます」そんな声がよく届くので、 トラッドの大先生、八木沢さんから 男女問わず必読のやさしい 着こなしアドバイスをおくります。
原宿キャシディ店長
八木沢博幸さん
1956年、東京生まれ。原宿キャシディの前身であるミドリヤ時代から、接客や買い付け、オリジナルアイテムのデザインまで手掛けて40年。誠実な接客と、筆ペンによる味なスタイル画にファンが多い名物店長。
生活になじんだジョンスメドレーの下着は、クタクタになっても捨てどきがわからない。デザイナーのマーガレット・ハウエルがそう語っている記事を読んで、いたく共感したことがあります。ここ15年ほど捨てるのを迷っている同じブランドの下着を、僕も持っているからです。
スタイルのある服はずっと手元に置いておきたくなります。買い替えるタイミングは、もう着られないほど汚れたり、すり切れたりしたとき。最後は靴磨き用のウエスにしますが、なかなか使い切れません。廃番やリニューアルの際には買い足しをします。パッケージの封は切らずに、MADE IN USAなどと書かれた帯のデザインも素敵なので、そのままにしてストックします。
「ポロ ラルフ ローレンのアンダーシャツに、エル・エル・ビーンのチェック柄フランネルパジャマを重ねたくつろぎスタイルを愛用。寒くなるこれからの季節は、温かみのあるこんなルームウェアもいいですね」と八木沢さん。
消耗しがちな下着はストックも膨大。日本で手に入りづらいオールドネイビーやアーバン・アウトフィッターズの下着は海外でたくさん購入し、10年以上引き出しで眠っているものも。ポロ ラルフローレンのアンダーシャツは、最近キャシディでも扱い始めて手に入れやすくなりました。ヘインズやフルーツオブザルームのTシャツも長年の定番。なかには、滑らかすぎてくすぐったくて使用を断念したスイスの下着もあります。
パジャマはアメリカのブランド、スリーピージョーンズやエル・エル・ビーンを愛用しています。柄はギンガムなどのチェック、生地は肌触りのよいオックスフォードやフランネルが好み。襟付きで上下セパレート、さらにメガネを入れるためのポケット付きだとなおよしです。ソックスは3足セットになったキャシディオリジナルのライン入りソックス、ハンカチはアメリカブランドのカムコが気に入っています。ともにマイ定番にして店のベストセラーでもあります。
いろんなものを試したい理由はしっくりきたらお客様にもおすすめしたいから。確かなスタイルがありつつも主張しすぎず、生活に根差しているもののほうが長く使い続けられるように思います。
連載
原宿キャシディ・八木沢さんのメンズララビギン
「メンズだけどララビギン読んで ます」そんな声がよく届くので、 トラッドの大先生、八木沢さんから 男女問わず必読のやさしい 着こなしアドバイスをおくります。
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[LaLa Begin 2023年 10-11月号の記事を再構成]composition : Mikiko Manaka illustration : Yu Fukagawa