Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES 外的要因に振り回されないための“ピースゾーン”づくり。DAYLILY小林さんが落ち込まないために心がけていることとは?【後編】

2023.10.27

止まり木観測 ~オトナプロフから見えた、100人のワークインライフ~

外的要因に振り回されないための“ピースゾーン”づくり。DAYLILY小林さんが落ち込まないために心がけていることとは?【後編】

止まり木観測  ~オトナプロフから見えた、100人のワークインライフ~ DAYLILY 代表・小林百絵さん【後編】

編集部が「なんだか気になる働き方、生き方をしている」人と出会い、その人自身の生活の“止まり木”、より所について深堀していくこの企画。子どもの頃に遊んだ「プロフィール帳」の大人版、“オトナプロフィール”なるものを使って、これまでの人生についてあれこれ伺っていきます。

第1回目は、漢方を軸にしたライフスタイルブランド「DAYLILY」CEOの小林百絵(こばやし・もえ)さん。

後編では、興味のあること、これからやりたいことなど、今の小林さんが考えていることについてお話を伺いました。

「興味のある仕事ジャンル」は、ヘルス・ピース・カルチャー

 ―前編では、DAYLILY創業のきっかけや、漢方との出会い、ストレス発散方法などについてお話しいただきました。小林さんが最近興味を持っている「仕事ジャンル」について教えてください。

「ヘルス(Health)・ピース(Peace)・カルチャー(Culture)です。心が安心できる状態にある『インナーピース(=心の平穏)』をつくることがすごく大事だなと思っていて」

 「普段の生活のなかで、悲しいことや大変なことなど、外的要因って必ずあると思うんです。しかも大体のことはコントロール不可能で、受け止めるしかない。そういうときに、自分のなかにピースゾーン、心の平穏を取り戻せる場所や方法をしっかり持てていると、その事柄に振り回され過ぎずに済む気がしています」

「私にとっては、漢方もピースゾーンをつくるための要素。漢方があるから大丈夫、って安心できたり。自分が今ピースな状態に戻せてきてるぞって思えることで、すごくすごく気持ちが楽になるんじゃないかなと。ピースに過ごせることが、ヘルシーにもつながると思っています」

―ヘルスとピースは地続きなんですね。小林さん自身は、どのようにピースな状態をつくっていますか?

「お散歩をしたり、白湯やお茶を飲んだり、お香を焚いたり、好きな音楽を聴いたり…小さなことですよね。乱れているときに、そうしたモノやコトを取り入れて、元の状態に戻すようにしています。 

 「カルチャーについては、漢方のビジネスをやっているというよりは、文化をつくっているような感じがしていて。漢方自体、もともと長い歴史を持つカルチャーですが、それを今後どうやってより生活に溶け込ませていくことができるか、すごく興味がありますね。なので、生活に根付いているものをいろいろ観察したりしています」

 ―ちなみに、「定番おやつ」に「ナツメと山査子(サンザシ)」とありますが、小腹が空いたときは、ナツメとサンザシを食べるとのことで、にスナック菓子を食べるより自己肯定感が高まりそうですね。

「DAYLILYで売っている台湾の定番おやつです。ナツメは赤くて大きな実ですが、食べるとほのかに甘くてフワフワ。血をつくると言われていて、生理前や生理中に食べると不調が出にくいと言われています。サンザシは漢方でも使われる実をお砂糖と練り合わせてスティック状にしたもの。消化を助けてくれて、イライラにもいいそうです」

ビジネスというより、アーティスト活動に近い

―今ほしいのは「つくれるスキル」とのことですが、どのようなものでしょうか?

「デザインができる人とか、文章が書ける人、写真が撮れる人など、すごくうらやましいです。私は行動力はある方ですが、じゃあ具体的に何ができるかって聞かれると、ちょっとうまく言えなくて……。DAYLILYのアートディレクターは河ノさんという方がやってくださっているのですが、本当に素晴らしくて、毎回魔法みたいだなと驚きます。私もできるようになりたいです」

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―最後に、今後どうなりたいかなど、夢や目標はありますか?「未来の人生のビッグイベント」で、「アーティスト的な!」とありますが、詳しく教えてください!

「今、会社のみんなでやっていることはアーティスト活動に近い気がしていて。何かをつくることは好きなのですが、私が絵を描いたり、音楽をつくれるわけではなくて、みんなの力を合わせることで、やっと何かができる。これからも自分にはないものを持っている人たちと出会って、一緒に何かをやっていけたらうれしいですね。ひとりでなく、誰かとやるから、違う景色が見えるので」

好きなことで起業された小林さん。心地よく働ける会社づくりには、ご自身のインナーピースに対する考えが反映されているような気がしました。

好きな香りを見にまとったり、健康的なおやつを食べたり、いつもより少し遠くまで歩いてみたり。自分にとってちょっといいことをしてあげられる時間を持つことで、インナーピースが育つのだなと感じました。

 

プロフ帳からはまだまだ、枝葉を伸ばしていく大樹のように素敵なエピソードが盛りだくさん。自らのインナーピースも大切にしていきたくなるような、心温まる取材になりました。


https://daylily.com.tw/

 

 

写真/西あかり 文/大芦実穂 イラスト/斉藤知子

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