Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES 大企業で働きながら、心のどこかに引っかかっていたこと。DAYLILY小林さんが26歳で選んだ生き方、働き方【前編】

2023.10.27

止まり木観測 ~オトナプロフから見えた、100人のワークインライフ~

大企業で働きながら、心のどこかに引っかかっていたこと。DAYLILY小林さんが26歳で選んだ生き方、働き方【前編】

止まり木観測  ~オトナプロフから見えた、100人のワークインライフ~DAYLILY 代表・小林百絵さん【前編】

編集部が「なんだか気になる働き方、生き方をしている」人と出会い、その人自身の生活の“止まり木”、より所について深堀していくこの企画。

子どもの頃に遊んだ「プロフィール帳」の大人版、“オトナプロフ”なるものを使って、これまでの人生についてあれこれ伺っていきます。

第1回目は、漢方を軸にしたライフスタイルブランド「DAYLILY」CEOの小林百絵(こばやし・もえ)さん。前編では、ブランドに込めた想い、創業のきっかけなどについてお話を聞きました。

“身近に漢方がある生活”を提案したい

真っ白なデザイナーズマンションの扉を開けると、お部屋からはフワッといい香りが。お気に入りのアポテーケのお香が焚かれていました。

「もう5年ほど住んでいます。ここよりいい家が見つからないんです」と笑う小林さん。気に入っているところは、空間を仕切るドアが少ない点だとか。ベッド兼ソファのいつもの場所に腰掛けて、インタビューが始まりました。

ご友人が作っているという、お気に入りの「たにくっしょん」

―オトナプロフの自己紹介では「普段はDAYLILYのCEOをしている」とのことですが、どんなブランドなのか教えていただけますか?

「漢方があるライフスタイルそのものを提案しているブランドです。漢方だけでなく、お茶やおやつ、コスメに雑貨、アパレルなども展開しています。毎日が楽しくなるようなアイテムを販売しています」

左からデイリリーの山査子スティック、棗。ともに850円

―始めたきっかけは「漢方いいなと思ったから!」だそうで、漢方との出会いなどについても聞かせてください。

「ブランド創業のきっかけは、大学院のときに所属していた『デザイン思考』のゼミで、エリちゃん(王怡婷さん)と出会ったこと。彼女はお父さんが長年、台北市内で漢方薬局を営む台湾人の女性で、台湾の漢方文化について教えてもらううちに、なんて素晴らしいんだろうと感激して。台湾では、漢方を学校に持ってきたり、お守りがわりにポーチに入れていたりするそう。日々、特別体調が悪くなくても漢方を飲んで整える生活っていいなぁと、素直にうらやましくなりました。中国や韓国にも同様の文化があるのに、なんで日本にはないんだろうという疑問もあって。将来、漢方がより身近になったらいいなとなんとなく思っていました」

大学院で「デザイン思考」について勉強

―「過去にあった人生のビッグイベント」の項目で「大学院で恩師とエリちゃんに出会ったこと」と書かれていますが、所属していたデザイン思考のゼミでは、どんなことを学んだのですか?

「アイデアをつくるためのプロセスを研究していました。そこで恩師の奥出直人先生に出会って、自分のコンセプトデザインに対する考え方がガラッと変わりました。DAYLILYを始めるときも本当によく相談に乗っていただきました」

―大学院卒業後は広告代理店に就職したとか。

「はい。もともと何かを生み出したいという気持ちがあって、広告代理店に入社しました。会社員時代もすごく楽しかったのですが、やっぱり心のどこかに漢方をやりたいという気持ちがずっとあって。エリちゃんに、漢方のブランドをやらない?と相談。最初はびっくりしてたけど、彼女も『台湾にもおしゃれな漢方はないから』と前向きに考えてくれました」

「私、すごく負けず嫌いなんです。そのせいでボードゲームができないくらい(笑)。会社員時代も大勢と比べられて、負けるのが嫌ですごく頑張ってしまって……いつも疲れていましたね。でも、負けず嫌いなおかげで、今こうしてブランドを続けていられるというのもあると思います」

同世代の女性が多い、フラットな会社

―それから「現在の人生のビッグイベント」では、「DAYLILYの共同創業者&CEOに」とありますが、エリさんと会社を立ち上げられて。

「最初は会社員をやりながら、休日にディスカッションをしていたので、本当に忙しかったのですが、仕事というより遊びに近い気持ちでした。2018年に台湾に実店舗をオープンして、2019年から日本でも出店をはじめ、現在は日本国内にも6店舗あります」

2018年、台湾にオープンした1号店

 「40名近いスタッフからは“もえさん”とかって呼ばれることが多いです。みんな同世代の女性が多いので、従業員という感じでもないというか。フラットな関係だといいなと思っています。お客さんにとっても店頭に立つスタッフが友達のようであってほしいんです。体の不調を友人に話すように相談してもらえたら」

―毎日お忙しそうですが、「理想の休日」について教えてください。

 「2万歩歩くことです。いわゆるお散歩です(笑)。平日でも1日1万歩目標にしています。昔、片道4時間歩いたことがあって! ウインドウショッピングしたり、周りを見ながら歩いたり。歩いて美術館に行ったりもします」

お部屋の一角にぎゅっとまとめて貼られた、ステッカーやポストカード 

後編では、小林さんが普段考えていること、健康に会社をやっていける秘訣など伺いました! お楽しみに。


https://daylily.com.tw/

 

写真/西あかり 文/大芦実穂 イラスト/斉藤知子

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