ブランド研究【NIVEA】
性別も世代も超えて愛される【ニベア】を研究!その青と白に隠された秘密とは?
性別も世代も超えて愛されるスキンケアクリーム
ニベアクリームは1911年にドイツのバイヤスドルフ社というスキンケア製品の会社で作られました。
ニベアのスタンダードアイテム「ニベアクリーム」 右/ニベアクリーム 大缶 169g 627円 ※編集部調べ 左/ニベアクリーム チューブ 50g 260円 ※編集部調べ
誕生の鍵となったのが、乳化剤のオイセリット。水と油は基本的に混ざらないし、混ぜるためには界面活性剤を使うのが一般的ですが、オイセリットを加えることで水と油を結合させて安定したクリームにすることができました。
オイルベースのニベアクリームは肌へのうるおい補給に加え、肌表面に油性の膜を作ることで肌を保護します。乾燥や冷たい外気などの外部刺激から肌を守りつつ、内側の水分を外に逃しません。
さらっとした使用感のウォーターベースのクリームとは違う、独特のリッチなテクスチャー。人の天然の皮脂膜の働きを補い、しっかり保湿します。
100年以上変わらない処方で品質や安全性を保ってきたことが、顔を含む全身の肌に使える安心感につながっています。
青と白のシンプルなパッケージデザイン、手頃な価格、家族みんなで使えるという気軽さも長く愛されてきた理由です。冬になると親からニベアクリームを塗ってもらったという記憶がある人も多いのでは? 思い出や絆の中にもニベアクリームは息づいています。
ニベアボーイズとニベアガールズで商品PRを展開
キャプションのテスト
儚げな美しさから元気で健康的な美しさが好まれるようになった時代に、ニベアクリームは誕生しました。そこで、広告キャンペーンのためのモデルに、健康的で清潔感のあるドイツの三兄弟と三姉妹が抜擢されました。一躍、ニベアを象徴する“顔”に。
白色のクリームと青い缶に隠された秘密
フローラル系のやさしい香り・肌をしっとりさせる保湿成分
フローラル系のやさしい香り
クリームの香りを嗅いでみると、ほんのりと花の香りがします。やさしいフローラルの香りで、手肌ケアをするたびにリラックスした気分になれそう。鼻につんとくるような強い香りではないので、香りが苦手な方にもおすすめです。
肌をしっとりさせる保湿成分
ニベアクリームには肌の水分をキープする役割を担うグリセリンやホホバオイル、水分の蒸発を防いでうるおいを保持するスクワランなどが配合されています。商品の核となる基本の部分は発売当時の110年前から変わっていないというから驚きです。
こっくり濃厚なテクスチャー
スキンケアクリームにはウォーターベースとオイルベースがあります。日本の化粧品ではウォーターベースのクリームが比較的多いのですが、ニベアクリームはオイルベースのクリーム。油分をたっぷり含んだ、こくのあるしっとりとした質感です。
品のある青と白がアイコンカラー
1932年の広告
雪のように白いクリームなので、ラテン語のnix(雪)、nivis(雪の)という単語から、“NIVEA”と命名されました。発売当初は、その頃流行していたアールヌーヴォー調デザインの缶でしたが、1925年に現在のブルー缶の原型が登場しました。
容器に缶が選ばれているのは誕生当時に理由があった!
ニベアクリームは化粧品にしては珍しくアルミ缶に入っています。その理由は、1911年当時入手しやすかった素材で、外からの紫外線や空気の影響でクリームが変質しにくいから。ふたを開け、クリームを使って閉めるまでを片手で行えるメリットもあります。
連載
ブランド研究【NIVEA】
冬が始まり、手指や顔の乾燥が気になる季節。頼りになるのが、青い容器のニベアクリーム。少しの量でもしっかりうるおって、乾燥からまもってくれます。誕生からちょうど110年。国や年代、性別も関係なく愛される名品スキンケアアイテムにクローズアップ。
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※掲載内容は発行時点の情報です。
[LaLa Begin 2021-22年 12-1月号の記事を再構成]写真/武蔵俊介 構成・文/名知正登