世界のキッチン・ テーブルウェア【THEME WORLD KITCHEN & TABLEWARE】
色や柄、ここにあることにも物語がある
教えてくれたのは…
SEA&SIGN / 代表 井川雄太さん
米国のヴィンテージグラスウェア専門店『DEALERSHIP』や、北欧の器がそろうライフスタイルショップ『free design』などを運営。世界の食器類に造詣の深い目利きバイヤー。
「世界中の名品から、自分が本当に気に入ったものを選び、共に暮らすのは幸せなこと」。そう語る井川さんが世界のテーブルウェアに魅せられた原点は、学生時代の海外への強い憧憬。ホームステイを経験し、海外文化に強く憧れたこと。映画にハマり、海外の文化や音楽に触れ、インテリアやキッチン、食器などにも興味を持ったこと。それって私も、と心当たりのある人も多いのでは。
世界中のキッチン・テーブルウェアの魅力といえば、「見た目の美しさや使いやすさ、日本の製品には見られない色合い、タイムレスなデザインなど」と、その道のプロが言うだけあって多面的。でも実際に使う醍醐味って、なんだろう?
「一つひとつに歴史と背景があること。どのような文化の国で、どのようなデザイナーがデザインして、どのような職人が作っていて、どのように日本にやって来て、どのように自分の手に渡ってきたのか。想像することにロマンを感じます」。
たとえば北欧食器『イッタラ』の『ティーマ』は、「北欧は日照時間が短く、冬も厳しく長い。家にいる時間を少しでも楽しく、快適に過ごせるよう、シンプルで飽きが来こない色はもちろん、気分が明るくなる色合いも多く作られています」。
食は、生きることとひとつなぎ。人間がどんな逆境でも希望や楽しみを見出すように、テーブルウェアにも、それぞれ国の営みやストーリーが存在します。だから食卓に並べたときや使ったとき、代替のきかない満足感や味わいがある。これが大きな魅力のひとつではないでしょうか。
TOOLS & INTERIOR 100

モノをこよなく愛するこだわり派の読者に向けて提案してきたLaLa Beginが、これまで取材してきた日常雑貨や道具、インテリアのなかから、さらに名品と呼べるものを厳選。 モノづくりが魅力的な日本メイドの調理器具、食卓に表情をもたらす世界のテーブルウェア、老舗の家具から気鋭の小物まで、毎日、そして長く使える暮らしの相棒を深掘り。センスがいい暮らしを叶えるモノ選びのポイントとともにお届けします。
※掲載内容は発行時点の情報です。