Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES 【突撃取材!】やわらかな色とマットなデザインが魅力な堀口切子の作り方とは!?

2025.01.07

【突撃取材!】やわらかな色とマットなデザインが魅力な堀口切子の作り方とは!?

その魅力を生産現場に突撃取材 FACTORY TOUR of"江戸切子"

切子って豪華絢爛で、特別な行事の際に使うイメージがありませんか? 堀口切子の職人、三澤さんの生み出す切子はそんな世の中のイメージを覆す、やわらかな色とマットなデザイン。「シンプルで毎日の生活空間になじむ、そんな自分がほしかった切子を作っています」と三澤さん。毎日の食卓に合いそうです!
今回、工房で見せていただいたのは3工程。割り出しという作業では、ガラスに金色ペンで設計図を描いていきます。気泡がある部分は取り除くのが切子の本来のルールらしいのですが「泡もかわいいんです」とのこと。三澤さんのガラスへの愛を感じました。粗削り&三番掛けでは、いよいよガラスをカッティング。後ろから息をひそめて拝見していたのですが、躊躇なくどんどん刃を当ててゆき、みるみるうちに菊の柄が浮かび上がってくる様子には、目が釘づけになってしまいました。
柄は数種類あって、今回作っていただいたのはキッカ。どれをおうちにお迎えしようかと迷ってしまいますが、そんな時間も楽しい逸品です。

作り方を紹介!

1.割り出し

割り出し機と金色ペンを使って、カットの目安となる縦線をガラスに引いていきます。

泡がないかチェックをして、ペンで丸をつけます。後で刃にあてて取り除くためです。

ガラスに引きたい線の数を設定します。

割り出し機の裏側には複数の穴が! たとえば36で設定すれば、360度÷36で10度ずつ回転するという便利な仕組み。

左手で機械のレバーを押すたびに、設定した角度分、台座が回転。右手を壁に押し当てながら下から上に向けて直線を描き続けます。

完成! カットしていく際の大事な設計図になります。

2.粗摺り (あらずり)

ダイアモンドホイールという機械の刃部分にガラスを押し当てて削り、大まかなデザインを決めていきます。時間短縮のための作業です。

3.三番掛け (さんばんがけ)

先ほど切り込みを入れたところを、目の細かいダイヤモンドホイールでさらに削り、最終形に整えていきます。

4.石掛け、磨き、バフ掛け

ガラスの研削面はマットな状態なので、研磨することで輝きを出します。

完成!

※掲載内容は発行時点の情報です。

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