【野田琺瑯】創業約100年続く人気のヒミツに迫るべく、生産現場をレポート!
作り手も「ほしい」ものが野田琺瑯の人気のヒミツ
自炊する回数を増やしたい。そんなとき、形から入る派の人にまずおすすめしたいのが琺瑯容器です。琺瑯は丈夫で、年月が経っても変色しにくく、あのツタンカーメンのマスクも琺瑯製なんだとか!
今回お邪魔した野田琺瑯は昭和9年から琺瑯作り一筋。国内で唯一、鉄板琺瑯の全工程を一貫して自社工場で生産しています。感激したのは、創業以来、職人の手作業で製品を作っていること。手作りだから一つひとつ微妙に表情が違うと思うと、何だか愛着がわいてきます。
琺瑯容器といえば、昔は金属の生地ベース部分がぶ厚くてレトロな花柄にされがちでした。それを「こんなものがほしい」という社内の声から、今の製品のような薄く軽く、シンプルなデザインに変えたそう。自分たちで使いたいものを作っているからこそ、使い勝手もデザインも抜群で、多くの人に支持されるんだなと感じたのでした。
均一なつるつるは職人の手の中で生み出される!
どの工程もすべて人の手で行います
1.「生地」と呼ばれる金属のパーツをかごに整然と詰めます。
2. 生地をかごごと、ダイナミックに洗浄。金属についた油を落として、この後にかける釉薬のつきをよくします。
3. 容器の表面の色となる、カラフルな釉薬。色の展開は現在20色程度。なめらかな粘度を維持するため、保管場所では温度・湿度を徹底管理。
4. 商品底の「NODA HORO」のマークも機械ではなく、ハンコで一つひとつ押していくというあたたかさ♡
一人前になるには10年以上⁉︎
製品の表面となる釉薬は厚すぎても薄すぎても、焼きつけたときに綺麗に仕上がらないのだそう。釉薬を均一にかけるのは経験と技術が物をいう、難易度の高い作業。熟練の職人がテンポよく次々と仕上げていく様子に、思わず見とれてしまいました。
窯の中は、約850℃! 見ているだけでも熱い。
釉薬かけには、下地の釉薬をかける「下引き」と、表面のコーティングの2種類あります。釉薬をかけたらその都度、窯で焼成。焼成すると釉薬のガラス質が溶け、表面がつやつやに。
経験を積んで腕を磨きます!
老若男女、さまざまな人が働いているのも印象的。若い職人は、まずは完成前の製品の釉薬の欠けの補正や掃除などの作業から担当します。
最後まで手作業で
釉薬の欠けがないか、入念にチェック。最後の梱包まで、一つひとつ手作業で行います。
いよいよ完成間近!
定番人気の保存容器「ホワイトシリーズ」が完成間近。真っ白でシンプルなデザインは料理や食材を引き立てます。
TOOLS & INTERIOR 100

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