Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES 【日本のキッチンウェア】かけたお金と愛着は比例する

2024.12.06

【日本のキッチンウェア】かけたお金と愛着は比例する

毎日使える丈夫で丁寧な日本のものづくり

教えてくれたのは…
フードコーディネーター みなくちなほこさん


「やっぱり、かけたお金と愛着って比例すると思うんです」とみなくちさん。とはいえ、高ければいいわけではありません。「いいものだから高い。だから買うとき悩むし、いいところも悪いところもよく吟味する。これがとても大事で、悩んだ分だけ、長い付き合いになるように思います」。そのよい例が、鉄鍋だそう。「鉄鍋はメンテナンスが必要だし、時にはサビることもある。でもサビは人でいうカサブタみたいなもの。正しくケアすればきれいにとれて、一生だって付き合うことができます」。

そんなみなくちさんが普段使っている、お気に入りの鉄鍋が『釜浅商店』の『南部浅鍋』です。「南部鉄器なので、高温で調理できて料理がおいしくなるのはもちろん、とにかく丈夫で長持ち。縁の仕上げがきれいだったり、美しく窪んだ鍋底とか、置いたり持ち上げたりしやすい底面の3つの足にも、国産ならではの細やかな仕事が感じられます。『野田琺瑯』の製品や輪島塗の漆器など、塗りを重ねたものもそう。日本製より丁寧な手仕事はそうそうお目にかかれません」。面白いのが『南部浅鍋』は昔「すき焼き用の鍋」だったこと。
「今の代になってから、用途をすき焼きに限定せず、パッケージも商品名も一新しました。世界的に見ても日本ほど和洋中、いろんな食文化を楽しもうとする国を私は知りません。じつはこの商品がリニューアルするとき、付録のレシピ本づくりをお手伝いしたのですが、親子とじをつくっても、ケーキを焼いてもおいしい。多用途に、毎日使える点も日本のもののいいところです」。

※掲載内容は発行時点の情報です。

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