Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES 東京&京都の“絶滅危惧”喫茶店で、今のうちに自家製プリンを食らう

2024.01.15

東京&京都の“絶滅危惧”喫茶店で、今のうちに自家製プリンを食らう

奥行きのあるモノゴトに目がありません

ララビギン編集部の年末はなかなか忙しい。というのも、年末年始は取引先も含めてどこも休みなので、その分校了のスケジュールがいつもよりタイトなのです。その代わり、校了さえ終わってしまえば、ゆっくり休めるのはいいところ! 年末年始は27日からお休みをいただいて、地元の京都に帰省しました。

おっと、遅くなりましたが私、ララビギン編集部のフクニシと申します。アオバと同じく、ララビギンの男性編集部員。兄誌のビギンでお世話になり、そこで学んだことを活かしながら、今はララビギンの編集に携わっています。本誌では、特集以外に「ヴィン覧」「装い今昔物語」「なんでもない日のインテリア」などを担当。

どちらかというと多趣味で、休日は古着屋さんや、昔からあるお店をみつけては、訪問することが多いです。

そうゆうものが好きになったのは、兄誌ビギン・ララビギンの仕事に携わった影響が大きいのかなと思っていて、機械的に量産されたプロダクトや、ただ新しいだけのスポットよりも、作り手の思いや、それが作られるようになった背景や歴史など、奥行きを感じられるモノやコトに、豊かさを感じるように変わっていったのかもしれません。

そんなわけで、チェーンの喫茶店もいいですが、どちらかというとちょっと課金して昔からある喫茶店をめぐる派。今回は11月~年始のおやすみに東京&京都でめぐった、時間の流れがゆっくり感じられる喫茶店3軒を、たまたま食べていた、それぞれの「自家製プリン」とともにご紹介します。

【東中野】自家製洋菓子・パン・喫茶 ルーブル

こちらは、創業は1966年(昭和41年)から営業する老舗。1950年(昭和25年)にエビスベーカリーからはじまり、喫茶店の営業をはじめてから73年間営業を続けたカフェ・ベーカリーです。しかし、2023年の12月20日をもって惜しくも閉店となってしまいました。

ベーカリーが出自なだけにサンドイッチやホットサンドなどのメニューが豊富で、ナポリタンやプリンアラモードといった、“ザ・レトロ喫茶”なメニューも人気だったようです。内装や外観もその歴史が感じられる趣がありました。最後に訪れた時は、盛り付けが美しく名物だという「プリンアラモード」を注文。アイスやクリーム、フルーツと一緒にいただく滑らかなプリンは絶品でした。

【京都三条】スマート珈琲店

京都への帰省最終日に訪れたのがこちら。同じく京都出身で、好きなバンドの「ホームカミングス」のボーカル、畳野彩加さんが過去にアルバイトをしていて、他のメンバーも通っているということで、どうしても行きたくなって訪問しました。

今ではかなり有名なようで、朝から並んだほうがいいと聞いていたのですが、寝坊して11時頃にお店へ。開店は10時でしたが、お店についたときには10人ほどの行列が! 円安の影響か、外国人が本当に多い! 何を見てくるんだろう? 15~20分ほど待って、入店することができました。

1932年(昭和7年)に「スマートランチ」という名前で創業したスマート珈琲店。「スマート」というネーミングには、「気の利いたサービスができる店を目指したい」という意味が込められているそうで、接客はいいホテルのコンシェルジュさながらでした。

この時は「自家製プリン」を注文。硬さと滑らかさがちょうど半々くらいのプリンで、フレンチトーストと並んで二枚看板になっている理由に納得。「自家焙煎オリジナル珈琲豆」を使用したブレンドコーヒーと一緒にいただきました。帰省した際は、また来たいですね。

【高島平】エールコーヒー

こちらは、世界最大の淡水エイ「ヒマンチュラ・チャオプラヤ」など、珍しい熱帯の動植物をみることができる「熱帯環境植物園」に行ったときに訪れたコーヒー屋さん。高島平駅から10分ほど歩いた場所にある、まさに隠れ家的なお店で、自分がいったときはほぼ貸し切り状態。香ばしい香りがただよう、静かな空間でゆっくり時間が流れます。家でコーヒーを淹れるのだろう地元のお客さんがちょくちょく豆を買いにいらっしゃいます。

世界各国の豆を仕入れているようで、コーヒーもとても美味しい。のですが、お目当ては口コミサイトで見つけた“もっと知られるべき”と噂の自家製プリンでした。頼んでみると、マグカップくらいある容器にドドンとプリンが! いわゆるなめらかなミルクプリンといった感じで、クリーミーでめちゃくちゃ美味しい。ほろにがいカラメルソースがまたなんとも! これがコーヒーとセットで560円というのには驚きました。

てなわけで、調査の結果、やっぱり「もっと知られるべきプリン」でした!

昔ながらの喫茶店には、閉店する前にできるだけ足を運びたい!

最近では、こういった昔ながらの喫茶店の閉店・移転が相次いでいます。仕方のないこととはわかりつつもさみしい気持ち。ルーブルはいわば“絶滅喫茶”。他のレトロな喫茶店も、5年後、10年後に残っているのかは結構あやしいと思っていて、絶滅が危惧される状態なのです。休日は当面、そういったお店に足を運ぶことになりそうです! 気になった方はぜひ、足を運んでみてくださいね!

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