Begin Market(ビギンマーケット) COLUMN ARTICLES ヘンリーネックの元祖⁉ ワーカーが愛した「ヘルスニット」の代名詞Tシャツを深掘り

2021.09.13

ブランド研究【Healthknit】

ヘンリーネックの元祖⁉ ワーカーが愛した「ヘルスニット」の代名詞Tシャツを深掘り

前立てにボタンを備えるヘンリーネックの元祖!?

ヘルスニットはアメリカの老舗アンダーウェアブランド。その歴史は西部開拓時代が終わりを迎えた1900年から始まりました。

古きよき時代の働く男たちのワークウェアとして生み出されたといわれているのが、代名詞のヘンリーネックTシャツ。クルーネックをベースに、首元に前立てとボタンをあしらったものがヘンリーネックで、ワーカーが脱ぎ着しやすく、ボタンをはずして暑さをしのげるようにデザインされたという説があります。

ヘルスニットのスタンダードアイテム「ヘンリーネックTシャツ」

当時はおもに肌着として使われていましたが、クルーネックほど地味ではなく、シャツほどきっちりしすぎない絶妙なバランスで、現代では1枚で着ることも多くなっています。ボタンの開閉によって首元のニュアンスを調整でき、着こなしの幅を広げてくれるのもメリット。

ヘルスニットではつねに上質な原料を選び抜き、紡績からソーイングまで厳しい一貫した生産管理のもとで作られていて、その品質はお墨付き。カットソーと聞くと消耗品のイメージがあるかもしれませんが、質実剛健な作りでデイリーに着てもすぐにヘタることもなく、長く愛用できます。

 

ヘルスニットのヘンリーネックTは発売当初につけられた「906」という品番が今も使われています。ロングスリーブは「L」、ショートスリーブは「S」をつけて区別しています。リーバイスの「501」のように、永久定番の3ケタの数字になる日も遠くない⁉

ヘンリーネックTシャツのデザインを深掘り!

\100%“アメリカ綿”のボディ/

ボディには上質なアメリカ産コットンを使用。空気圧で繊維を撚り合わせる“空紡糸”といわれる構造の綿糸を使っていて、その名のとおり繊維の間に空気を含むため、ふっくらとしたボリューム感が出ます。生地の表面は独特のムラ感があり、表情豊かな雰囲気です。

\① “4本針縫い”によるソフトな着心地/

高級な下着にも使われる特殊なミシンで縫製した4本針縫い(フラットシーム)が特徴です。縫い合わせる生地と生地が平らな状態で縫製されるので、縫い目がフラットになって肌あたりが良好。違和感がなく、インナーとして着用するのに向いている理由です。

\② “猫のような目”の形のボタン/

ボタンをよく見てみると、糸を通すところが猫の目のようにへこんでいます。その名も猫目ボタン。1960年代以前のワークシャツやミリタリーシャツに見られたボタンを採用しています。表に付け糸が出ないので、糸がすり切れることを防ぐ役割を果たしています。

\③ 古きよき“ワーク服”ディテール/

袖から出ている糸は“空環止め”と呼ばれるもので、ヴィンテージのワークシャツに見られる意匠を取り入れています。縫製技術が発達していなかった時代に、裾で止めて処理するよりもそのまま流していったほうが効率的だったため、糸を切らずに残していました。

\④ 脇に縫い目がない“丸胴編み”/

一般的にTシャツは両脇にシームという縫い目があるのですが、ヘルスニットのTシャツは無縫製の丸胴仕様で作られています。胴体部分を筒状に編み上げ、その生地をそのまま生かしているので縫い目がなく、着心地のよさを後押ししています。

\⑤ “切りっぱなし”デザインの裾/

切りっぱなしに見える裾もアイコニックなディテール。本当に切りっぱなしだとほつれてしまうので、縁をロックミシンで縫製しています。すっきりした見た目で、肌あたりもソフト。長く着ていくうちに、裾がくるくると自然にロールしていくのもキュート。

※掲載内容は発行時点の情報です。

[LaLa Begin 2021年 10-11月号の記事を再構成]写真/武蔵俊介 構成・文/名知正登

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